紅殻島(べんがらじま)・・・第二十四章
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『 紅 殻 島 』
二十四
雛子も刹那微笑んだ。
そしておもむろに立ち上がると、派手な原色のドレスを足元に落とした。
「伊勢さん、私、もうおばあさんなのよ」
後ろ手でブラを外すと、解放された乳房が弾け出た。
四十路に近い膨らみは、すでに若かりし頃の弾力を失っていた。
行きずりの男達に弄ばれた乳首は、黒ずんだ乳暈から小指の第一関節ほども顔を覗かせていた。
「ほら、今さら再婚できる体じゃないでしょう?」
すっかり贅肉のついた下腹部から、雛子は体をよじってショーツまで脱いだ。
女豹のようにしなやかだった肢体は、不摂生な生活でだらしなく荒んでいた。
伊勢はじっと雛子を見つめて首を振った。
「いくら体型が変わっても、僕の気持ちは変わらない。雛ちゃんはいくつになっても雛ちゃんだよ」
雛子はふっと小さく笑って、裸のままカーペットに座った。
「真面目な伊勢さんには、もっと素敵な女性が現れるわよ」
「雛ちゃん、君を三年間も探し続けたんだ。僕はここへふざけに来たわけじゃない」
部屋の隅に畳んであったバスタオルを、伊勢は優しく雛子の肩にかけた。
つづく・・・
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