紅殻島(べんがらじま)・・・第十三章
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『 紅 殻 島 』
十三・
だが英生と雛子の蜜月は二年も続かなかった。
結婚してしばらくすると、英生は経営企画部から国際事業部へ異動になった。
海外の工場を管理するセクションだった。
海外出張が増え、英生は新妻を残して不在がちになった。
英生が帰国すると、海外でのストレスを発散したいのか、必ず伊勢をマンションへ呼び出した。
雛子が愚痴を言う。
「この人ったら、月の半分は海外出張で、最近全然かまってくれないのよ」
「雛ちゃんの気持ちはわかるけど、世界を相手に仕事をしている兄貴は凄いよ」
我が意を得たりと英生は伊勢の背中を叩いた。
「その通りだ、伊勢。世界の美女と遊んでいるわけじゃないんだよ。異国の地で一人仕事に打ち込んでいるんだ」
「へえ、本当に仕事かしら?」
ぷうっとふくれた雛子はワインを一気に飲み干した。
ところが日が経つにつれて、犬も食わない夫婦喧嘩は不安な様相を帯びてきた。
中東への出張で、英生が三ヶ月も家を空けることになったのだ。
つづく・・・
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