紅殻島(べんがらじま)・・・(第八章)
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『 紅 殻 島 』
八
工員達が嬉しそうにどっと笑った。
「ひど~い!」
雛子は英生の太腿をつねりながら心を高鳴らせた。
胸がキュンと締めつけられる。
(馬鹿ね、私とは違う世界の人なのに・・)
ちょっと悔しいが、雛子は女子中学生のような淡い想いを抱き始めていた。
雛子など遠く及ばない博学多識。
機転の早さからくる会話の面白さ。
男達すら惹きつける器の大きさ。
それでいて偉ぶらない子供のような純朴さ。
たくさんの男達と体を重ねてきた雛子だが、こんなに切ない想いをさせられるのは、英生が初めてだった。
叶わぬ想い。
そんな躊躇いを抱いたまま、二人は男と女の関係へ自然と落ちて行った。
店が跳ねた後、ホテルで雛子は英生と熱い肌を合わせるようになった。
英生の腕の中で、雛子は何度も悦びの高みへと昇華させられた。
星の数ほど男と寝たが、雛子は初めて女として開花させられたのだった。
(この人とずっと一緒にいたい)
雛子は英生の胸に顔を埋めた。
愛おしく、狂おしく、切なく、泣いてしまいたいほどの感情が雛子の胸を締めつけた。
つづく・・・
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