『真夜中のセールストーク』 第三章・・・(紅殻格子)
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『真夜中のセールストーク』
三・
美帆が医局の様子を窺っていると、不意に背後から肩を叩かれた。
「結城さん、どう一局指さない」
「あ、荻原先生・・」
声をかけてくれたのは、皮膚科の医師、荻原直人だった。
三十代半ばで独身の荻原は、ひょろっとした長身で、分厚い銀縁の眼鏡をかけている。
なよなよした頼りない感じで、どこか『サザエさん』のマスオさんを彷彿とさせた。
荻原はテーブルの将棋盤を置いて駒を並べ始めた。美帆は困惑しながらも誘いを断れなかった。
美帆がこの医局に溶け込めたのは荻原のお蔭だった。
祖父に将棋を仕込まれた美帆を、荻原が好敵手として他の医師に紹介してくれたのだ。
荻原と将棋を指したお蔭で、美帆は担当した早々から壁の華を脱することができたのだった。
他社のMRが見守る中、美帆の先手で将棋は始まった。
「よ~し、今日は結城さんに負けないぞ」
荻原は意気込んだが、正直なところ将棋は下手だった。
将棋が口実であることを美帆は薄々気づいていた。
何故なら荻原の視線は、盤面よりも、美帆の体に注がれている時間の方が長かったからだ。
(んもう・・私は女王様じゃないわよ)
美帆はいらいらしながら心の中で荻原に毒づいてみせた。
多忙でストレスが溜まる医師には、変わった性癖を持つ人もいる。
看護婦の間では、荻原はSMクラブの常連で、女王様に鞭打たれたいマゾヒストだと噂されていた。
「いや~、その一手はきついねえ」
荻原は体をくねらせた。その姿に美帆はぞっとした。
荻原がこんなにも目をかけてくれる理由は、美帆の容姿が女王様タイプだからに違いなかった。
はっと美帆は我に返った。
悠長に将棋を指している場合ではなかった。
いくら荻原と将棋を指しても、美帆の仕事にはプラスにはならないのだ。
美帆が今売らなければならないのは、SAファーマが新たに開発した高コレステロール治療薬『リピレス』だった。
当然処方するのは内科医である。
早く有力な内科医に接近して、ますリピレスを病院で採用してもらわなければならない。
つづく・・・
・・・・・・ お知らせ ・・・・・
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『色褪せぬ薔薇』 作品紹介・・・・(電子書籍「遊スタ」より引用)
※ 来年60歳になる秀明は住宅用建材メーカーの重役で、25年前は仙台支社にて営業をしていた。単身赴任で仙台にやってきた秀明は、やがて同僚の葉子と社内不倫の関係を持つようになり、夜毎、互いに体を貪り合い、熱い情事を繰り返した。 だが、秀明が東京の本社へと戻ったことをきっかけに、ふたりは別れ離れになってしまう。 久しぶりに、仙台を訪れた秀明は、彼女に会うことにするが、そこで部下から知らされた葉子の衝撃的な事実とは?
愛に包まれた感動のエピローグに乞うご期待!※
『 閲 覧 方 法 』
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