「肉形見」 第八章・・・(紅殻格子)
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「肉形見」
八.
智彦とは年が離れていたせいか、兄弟喧嘩をした記憶はなかった。
農繁期で両親が忙しい時、幼い武彦の面倒をみてくれたのは智彦だった。
夏の暑い盛り、虫取りや魚釣りに連れて行ってくれた兄。
冬の雪山で、熱心にスキーを教えてくれた兄。
県立高校を主席で卒業した智彦だったが、農業を継ぐために進学はしなかった。
本心は大学へ行きたかったに違いない。
そして、武彦は東京の大学に進学を希望した時、
猛反対する両親を説得してくれたのは智彦だった。
本当に優しい兄だった。
由紀と結婚した時の幸せそうな顔。
そして病床でのやつれ果てた顔。
恩返しひとつできないうちに兄は世を去ってしまった。
死期を悟った兄は武彦が最後に面会に行った日に、遺言のような言葉を漏らした。
「武彦、親父とお袋を頼む・・・」
しかし未だに武彦は兄との約束を果たせずにいる。
兄の墓標を前にして、武彦はサラリーマン生活に流されている
己の優柔不断さに身が縮む思いがした。
つづく・・・
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冬の雪山で、熱心にスキーを教えてくれた兄。
県立高校を主席で卒業した智彦だったが、農業を継ぐために進学はしなかった。
本心は大学へ行きたかったに違いない。
そして、武彦は東京の大学に進学を希望した時、
猛反対する両親を説得してくれたのは智彦だった。
本当に優しい兄だった。
由紀と結婚した時の幸せそうな顔。
そして病床でのやつれ果てた顔。
恩返しひとつできないうちに兄は世を去ってしまった。
死期を悟った兄は武彦が最後に面会に行った日に、遺言のような言葉を漏らした。
「武彦、親父とお袋を頼む・・・」
しかし未だに武彦は兄との約束を果たせずにいる。
兄の墓標を前にして、武彦はサラリーマン生活に流されている
己の優柔不断さに身が縮む思いがした。
つづく・・・
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