「肉形見」 第五章・・・(紅殻格子)
※ 小説を読まれる方へ・・・
更新記事は新着順に表示されますので小説を最初から順追って
お読みになりたい方は、左のカテゴリー(各小説)を選択していただければ
第一章からお読みいただけるようになっております
「肉形見」
五.
やがて車は十五戸ばかりの民家の並ぶ山間の盆地に出た。
武彦の実家はその集落の中央にあり、代々長を務める家柄である。
武彦と由紀が家に帰ると両親が玄関まで出迎えに来た。
「おお、武彦。元気じゃったか?」
泰治は大声でこう言って何度も武彦の肩を叩いた。
健康がすぐれないわりに、血色も良く以前と変わらず威勢がいい。
「さあ、早く上がれ。熱燗を用意しとったから一緒に飲もう」
「親父、体が悪いんだろう。寝ていなくていいのか?」
その時、絹江が泰治の袖をそっと引っ張るのを武彦は見逃さなかった。
「ゴホン、ゴホン。そうじゃ、ちょっとばかり腰を痛めてな。
昨日まで寝込んでおったのだが、
お前の顔を見たらすっかりと治ってしまった。ワッハハハ」
泰治はごまかすように大笑いした。
「本当、今日は調子がいいみたいねえ」
絹江が引きつった顔で追従した。
旅の疲れがどっと武彦の全身に拡がった。
仮病である。
鬼の霍乱かと心配し、無理に会社を休んだが、
どうやら筋と絹江の術中にまんまと嵌ってしまった。
つづく・・・
[妄想の囲炉裏端]☆妄想の座敷牢の掲示板です☆
~にほんブログ村 恋愛小説~(愛欲)
~FC2 人妻・熟女官能~
~愛と官能の美学~
~女たちの性書~
~人気ブログランキング 愛と性~
BlogPeople「芸術・文学/読書中毒」
BlogPeople「恋愛・セックス/大人の話」
エッチな告白体験談ブログ
読み物交差点
更新記事は新着順に表示されますので小説を最初から順追って
お読みになりたい方は、左のカテゴリー(各小説)を選択していただければ
第一章からお読みいただけるようになっております
「肉形見」
五.
やがて車は十五戸ばかりの民家の並ぶ山間の盆地に出た。
武彦の実家はその集落の中央にあり、代々長を務める家柄である。
武彦と由紀が家に帰ると両親が玄関まで出迎えに来た。
「おお、武彦。元気じゃったか?」
泰治は大声でこう言って何度も武彦の肩を叩いた。
健康がすぐれないわりに、血色も良く以前と変わらず威勢がいい。
「さあ、早く上がれ。熱燗を用意しとったから一緒に飲もう」
「親父、体が悪いんだろう。寝ていなくていいのか?」
その時、絹江が泰治の袖をそっと引っ張るのを武彦は見逃さなかった。
「ゴホン、ゴホン。そうじゃ、ちょっとばかり腰を痛めてな。
昨日まで寝込んでおったのだが、
お前の顔を見たらすっかりと治ってしまった。ワッハハハ」
泰治はごまかすように大笑いした。
「本当、今日は調子がいいみたいねえ」
絹江が引きつった顔で追従した。
旅の疲れがどっと武彦の全身に拡がった。
仮病である。
鬼の霍乱かと心配し、無理に会社を休んだが、
どうやら筋と絹江の術中にまんまと嵌ってしまった。
つづく・・・
[妄想の囲炉裏端]☆妄想の座敷牢の掲示板です☆
~にほんブログ村 恋愛小説~(愛欲)
~FC2 人妻・熟女官能~
~愛と官能の美学~
~女たちの性書~
~人気ブログランキング 愛と性~
BlogPeople「芸術・文学/読書中毒」
BlogPeople「恋愛・セックス/大人の話」
エッチな告白体験談ブログ
読み物交差点