小説「内助の功」第十四章・・・(紅殻格子)
※小説を読まれる方へ・・・
更新記事は新着順に表示されますので小説を最初から順追って
お読みになりたい方は、左のカテゴリー(各小説)を選択していただければ
第一章からお読みいただけるようになっております ※
更新記事は新着順に表示されますので小説を最初から順追って
お読みになりたい方は、左のカテゴリー(各小説)を選択していただければ
第一章からお読みいただけるようになっております ※
「内助の功」 紅殻格子
十四
羽田空港。
お盆の帰省客で溢れる搭乗待合室で、裕一は長椅子に座り、
ぼんやりと行き交う飛行機を眺めていた。
伊豆での出来事の後、突如裕一は経営企画室へ異動された。
しかも係長への昇格つきだった。
経営企画室は社長直轄の組織で、裕一には会社の中期計画を
アシストする仕事が与えられた。
辞職を考えるほどの閑職から、経営の中枢を担う要職への大抜擢だった。
もちろん岩井社長の直接人事である。
全ては早紀の描いた計略だった。
驚いたことに早紀は在職中、美紀とレズ関係にあったらしい。
レズと言っても重症ではなく、男とも女とも愛し合えるバイセクシャルだった。
早紀が裕一と結婚すると、美紀も社長からのプロポーズを受けた。
だが高齢の社長はインポテンツ気味で、美紀の体を満足させられず悩んでいた。
そのことを以前から美紀に相談されていた早紀は、
バスルームで裕一から会社を辞めたいと告げられた時、
この巧妙なシナリオを咄嗟に思いついたのだ。
インポテンツを治すには、より淫らな刺激が特効薬となる。
早紀は嫉妬こそ最も過激な性のスパイスだと考えた。