小説 「夜香木」 第八章・・・
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「夜香木」 紅殻格子
八.
美佐江は和夫に気づかれぬよう、そっとショーツの中に指を忍ばせた。
指先は淡い下草を通り、熱い肉裂に滑り込んだ。
(あん!)
肉裂の中に硬く尖った小さな蕾に指先が触れると、美佐江は声を殺して身を捩った。
その電撃が体の奥底に眠っていた女の本性を目覚めさせた。
硬く尖った蕾は女の嬉びを貪欲にむさぼろうと、指先と腰の動きを無意識に激しくさせる。
(き、気持ちいいっ。こんなの初めて!)
蜜壷から湧き出す愛液が肉裂に溢れ、クチュクチュと淫靡な音を奏でている。
心臓の鼓動は高鳴り、肌は赤く上昇し、呼吸も荒々しくなっていく。
やがて美佐江は体の奥で、何かが疼くのを感じた。
その疼きは徐々に激しくなり、体と心を支配していく。
(あう、子宮が痺れる・・・ほ、欲しい・・・入れて欲しいの・・・激しく突いて欲しい!)
美佐江は厳格な家庭に育ったこともあり、常に自らを良妻賢母たらんと律してきた。
それが美佐江の人生の信条であった。
しかし眠りから目覚めた女の本性は、そんな美佐江を嘲笑うかのように一匹の発情した雌に貶めるのであった。
しかも------
美佐江の子宮が求めている雄は、ひとりよがりな和夫ではなく、あの昼間出会った少年であった。
(あの子が欲しい・・・あの子に抱かれたいの・・・あっいい・・・突いて、強くう・・・)
息子と同じぐらいの少年に、犯される自分の姿を想像しながら、美佐江は指先を滾る蜜壷に滑らせた。
「あっ」
思わず美佐江の口から喘ぎが漏れた。
その声に反応したのか、隣で寝ていた和夫が寝返りをうった。
美佐江は手慰みを止め、夫の様子を窺った。
和夫は「う~ん」と唸っただけで、また鼾をかき始めた。
つづく・・・