『人外境の花嫁』十一.人外境の怨讐者(三)
『人外境の花嫁』
十一.人外境の怨讐者(三)
ぼそっと乱裁が呟いた。
「ふむ、殺すには惜しい男よの・・だが賢い男は信用できんからな」
その言葉に菜穂と子猿が頷き、修行者を呼んで三人を牢獄に拘留するよう命じた。
「待て、その女は・・」
乱裁はしばらく腕組みしてしながら、改めて月絵の体を舐めるように見た。
「・・吉永金治を泣かせるわけにもいくまいか・・活かして歓喜天様の生贄として輪姦し、身も心も天神会に仕えるよう調教せよ」
月絵は狂ったように大声をあげた。
「厭っ、先生が殺されるのなら、私も後を追って死にます。私は、私は、どこまでも先生と一緒です!」
後ろ手に縛られたまま、髪を振り乱して月絵は暴れた。
その時。
パン。
パン、パン。
騒然とした大聖天堂に、乾いた銃声が鳴り響いた。
驚いた幹部達が一斉に音がした方向へ目を向けた。
出入り口の扉が開いて、数人の修行者が怯えるように後退りする。
パーン。
再び銃声が大聖天堂に木霊すると、天井からパラパラとコンクリートの欠片が舞い落ちてきた。
「おら、邪魔すると手前らの体を蜂の巣にするぜ」
激しい怒号とともに、拳銃を構えた黒服の男達が十人ほど大聖天堂に姿を現した。
つづく…
theme : 官能小説・エロノベル
genre : アダルト