『人外境の花嫁』七.迷宮の案内者(九)
『人外境の花嫁』
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七.迷宮の案内者 (九)
降矢木は再び便箋を取り出した。
「古代古史の真偽はさておき、何故神代文字の手紙が麻美さんの部屋にあったかだな」
そこへまた恐る恐る畠山が質問した。
「先生、これは何と書かれているか解読できるのですか?」
「簡単だよ」
便箋を舐めるように見た降矢木は、おやっと意外そうな表情で首を捻った。
「これは『上記』の神代文字に似ているが、よく見るとちょっと違うみたいだな・・そうか、まてよ」
降矢木はそう言うと、また堆く積み上げられた本の山を漁り始めた。
「これだ」
部屋の奥から探し当てた本を降矢木は高々と掲げた。
『サンカ研究』田中勝也著。
降矢木は興奮したように、指を舐めながらページを捲った。
「ほら、ここだ」
開いたページには、また不可思議な絵文字の一覧表が書かれていた。
【サンカ文字】
「先生、これは何ですか?」
「これはね、古代古史の研究者であり、サンカの研究にも詳しい田中氏が、『上記』の神代文字とサンカ文字を比較したものだよ」
「サンカ文字?」
また聞いたこともない言葉に、月絵は慌てて降矢木に問い質した。
「何ですか、サンカって?」
「ん、月絵君はサンカを知らないのか? 畠山君は知っているだろう?」
呆れた顔をした降矢木に、月絵と畠山、そして秋月も一様に首を振った。
「秋月さんまで・・?」
降矢木は三人を部屋のソファに招き、サンカについてぽつりぽつりと話し始めた。
つづく…
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紅殻格子の日記は「黄昏時、西の紅色空に浮かぶ三日月」に記載しています。
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「先生、これは何と書かれているか解読できるのですか?」
「簡単だよ」
便箋を舐めるように見た降矢木は、おやっと意外そうな表情で首を捻った。
「これは『上記』の神代文字に似ているが、よく見るとちょっと違うみたいだな・・そうか、まてよ」
降矢木はそう言うと、また堆く積み上げられた本の山を漁り始めた。
「これだ」
部屋の奥から探し当てた本を降矢木は高々と掲げた。
『サンカ研究』田中勝也著。
降矢木は興奮したように、指を舐めながらページを捲った。
「ほら、ここだ」
開いたページには、また不可思議な絵文字の一覧表が書かれていた。
【サンカ文字】
「先生、これは何ですか?」
「これはね、古代古史の研究者であり、サンカの研究にも詳しい田中氏が、『上記』の神代文字とサンカ文字を比較したものだよ」
「サンカ文字?」
また聞いたこともない言葉に、月絵は慌てて降矢木に問い質した。
「何ですか、サンカって?」
「ん、月絵君はサンカを知らないのか? 畠山君は知っているだろう?」
呆れた顔をした降矢木に、月絵と畠山、そして秋月も一様に首を振った。
「秋月さんまで・・?」
降矢木は三人を部屋のソファに招き、サンカについてぽつりぽつりと話し始めた。
つづく…
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