『人外境の花嫁』四.黄昏時の掠奪者(二)
『人外境の花嫁』
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四.黄昏時の掠奪者 (二)
軽い脳震盪を起こした降矢木が、再びぐったりしてソファに横たわっている。
「自業自得です」
月絵は冷たく言い放ったが、甲斐甲斐しく降矢木の額に冷却シートを貼っている。
麻美は笑った。
「月絵ちゃん、先生が好きなのねえ」
「じょ、冗談じゃありませんよ。誰が乱交乱交と叫ぶエロ中年を・・それに先生は・・先生は麻美さんに気があるんですよ」
「私に?」
「だって先生ったら、麻美さんがお店に来るといつもウキウキしちゃって・・」
額だけでなく、顔中に冷却シートが貼られた降矢木の顔を、月絵は悔しそうな表情で睨みつけた。
麻美はふっと微笑んだ。
月絵の初心な恋心が羨ましかった。
遠い昔、胸を焦がすような恋をした頃が懐かしく思える。
「私はもうお婆ちゃんよ。ね、秋月社長?」
「ん、麻美は今年で三十五歳だろう・・まだ女としてはこれからじゃないか」
自分の店で働く看板熟女を秋月はさり気なく励ました。
麻美はソープ嬢である。
秋月が経営するソープランド『楽園』で働いている。
最近の若い男性客は、若いソープ嬢よりも熟女を好んで指名する。
麻美は『楽園』の熟女陣の中でも、とりわけ癒し系として人気があった。
「でも社長、裸で商売にするには、誤魔化しがきかない歳になっちゃったのよお」
自嘲気味に微笑んだ麻美は、ちょっとだぶつき始めた二の腕を摘まんで見せた。
つづく…
皆様から頂くが小説を書く原動力です
人気ブログランキング~愛と性~
紅殻格子の日記は「黄昏時、西の紅色空に浮かぶ三日月」に記載しています。
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軽い脳震盪を起こした降矢木が、再びぐったりしてソファに横たわっている。
「自業自得です」
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麻美は笑った。
「月絵ちゃん、先生が好きなのねえ」
「じょ、冗談じゃありませんよ。誰が乱交乱交と叫ぶエロ中年を・・それに先生は・・先生は麻美さんに気があるんですよ」
「私に?」
「だって先生ったら、麻美さんがお店に来るといつもウキウキしちゃって・・」
額だけでなく、顔中に冷却シートが貼られた降矢木の顔を、月絵は悔しそうな表情で睨みつけた。
麻美はふっと微笑んだ。
月絵の初心な恋心が羨ましかった。
遠い昔、胸を焦がすような恋をした頃が懐かしく思える。
「私はもうお婆ちゃんよ。ね、秋月社長?」
「ん、麻美は今年で三十五歳だろう・・まだ女としてはこれからじゃないか」
自分の店で働く看板熟女を秋月はさり気なく励ました。
麻美はソープ嬢である。
秋月が経営するソープランド『楽園』で働いている。
最近の若い男性客は、若いソープ嬢よりも熟女を好んで指名する。
麻美は『楽園』の熟女陣の中でも、とりわけ癒し系として人気があった。
「でも社長、裸で商売にするには、誤魔化しがきかない歳になっちゃったのよお」
自嘲気味に微笑んだ麻美は、ちょっとだぶつき始めた二の腕を摘まんで見せた。
つづく…
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