『人外境の花嫁』
『人外境の花嫁』
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四.黄昏時の掠奪者 (一)
降矢木ファーマシーを訪れた藤野麻美は、店内の異様な空気に一瞬身構えた。
「えっ、何かあったの?」
腑抜けた表情で座り込んだ降矢木を、三名の男女が強張った表情で見つめている。
すると突然、降矢木がむくっと立ち上がった。
「そして、もうひとつ」
アルバイト店員の吉水月絵が、慌てて降矢木が倒れないよう体を支える。
「乱交には、母系の共同体を維持する役目があるのだ!」
そう叫んで振り返った降矢木は、店の入り口に立つ麻美を認めた。
「せ、先生?」
「・・ふ、藤野さん」
降矢木は覚束ない足取りで、ふらふらと麻美に近づいた。
「・・いらっしゃいませ」
青白い顔をした降矢木は、そのまま麻美に向かってよろけた。
咄嗟に麻美は降矢木を抱きとめる。
ちょうど降矢木の顔が、胸の谷間をクッションにして埋まる恰好になった。
「先生、大丈夫?」
「ふぐぅ・・幸せです」
豊かな乳房に挟まれて、降矢木はトロンとした目で麻美を見上げた。
月絵が絶叫した。
「ああっ、何やっているんですかっ!」
憤怒の表情をした月絵は、背後から降矢木を羽交い絞めにすると、力任せに麻美から引き剥がした。
「つ、月絵君!」
勢い余った月絵は、そのまま降矢木を後ろへ放り投げた。
期せずしてバックドロップが炸裂した。
大技に仕留められた降矢木は、ごろごろと後転しながらショーケースの角に頭をぶつけた。
つづく…
皆様から頂くが小説を書く原動力です
人気ブログランキング~愛と性~
紅殻格子の日記は「黄昏時、西の紅色空に浮かぶ三日月」に記載しています。
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降矢木ファーマシーを訪れた藤野麻美は、店内の異様な空気に一瞬身構えた。
「えっ、何かあったの?」
腑抜けた表情で座り込んだ降矢木を、三名の男女が強張った表情で見つめている。
すると突然、降矢木がむくっと立ち上がった。
「そして、もうひとつ」
アルバイト店員の吉水月絵が、慌てて降矢木が倒れないよう体を支える。
「乱交には、母系の共同体を維持する役目があるのだ!」
そう叫んで振り返った降矢木は、店の入り口に立つ麻美を認めた。
「せ、先生?」
「・・ふ、藤野さん」
降矢木は覚束ない足取りで、ふらふらと麻美に近づいた。
「・・いらっしゃいませ」
青白い顔をした降矢木は、そのまま麻美に向かってよろけた。
咄嗟に麻美は降矢木を抱きとめる。
ちょうど降矢木の顔が、胸の谷間をクッションにして埋まる恰好になった。
「先生、大丈夫?」
「ふぐぅ・・幸せです」
豊かな乳房に挟まれて、降矢木はトロンとした目で麻美を見上げた。
月絵が絶叫した。
「ああっ、何やっているんですかっ!」
憤怒の表情をした月絵は、背後から降矢木を羽交い絞めにすると、力任せに麻美から引き剥がした。
「つ、月絵君!」
勢い余った月絵は、そのまま降矢木を後ろへ放り投げた。
期せずしてバックドロップが炸裂した。
大技に仕留められた降矢木は、ごろごろと後転しながらショーケースの角に頭をぶつけた。
つづく…
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