『人外境の花嫁』三.青楼街の偏執狂(一)
『人外境の花嫁』
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三.青楼街の偏執狂(一)
横浜。
ランドマークタワーを筆頭に、高層ビル群が林立するみなとみらい地区は、横浜の表玄関として景観豊かな近未来港湾都市を装っている。
だが一度目を転じれば、どろりとした暗緑色の水を湛えるドブ川がその傍らに臭気を放って流れていた。
大岡川。
江戸末期の開港以来、横浜の発展を担って来たこの川沿いには、野毛、伊勢佐木町、日ノ出町、黄金町など、古くから拓けた歓楽街が密集している。
今でこそお洒落な観光都市に成り上がった横浜ではあるが、昭和四十年代までは、汗と油が染みついた作業着姿の労働者が闊歩する港湾都市だった。
特に近年の都市開発から疎んじられてきた大岡川界隈には、今も港湾労働者の楽園だった頃の面影が色濃く残っている。
場外馬券売場、大衆演劇場、パチンコ店、そして猫の小便臭い路地裏には、昔ながらの赤提灯と縄暖簾、紫や赤の電飾看板を掲げる場末のバーが、ごちゃごちゃと低い軒を連ねていた。
そして夜ともなれば焼き鳥の煙に混じって、安っぽい商売女の脂粉の匂いが、退廃的で妖しい雰囲気を更に醸し出す。
横浜随一の風俗街。
京急日ノ出町駅の近辺に建つホモの巣窟として有名なポルノ映画館。
場末のストリップ小屋が二軒。
大岡川沿いの福富町や曙町には、ソープランドを始め、ファッションヘルス、性感エステ、デリヘルなど、ありとあらゆる風俗店がひしめき合っていた。
つづく…
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大岡川。
江戸末期の開港以来、横浜の発展を担って来たこの川沿いには、野毛、伊勢佐木町、日ノ出町、黄金町など、古くから拓けた歓楽街が密集している。
今でこそお洒落な観光都市に成り上がった横浜ではあるが、昭和四十年代までは、汗と油が染みついた作業着姿の労働者が闊歩する港湾都市だった。
特に近年の都市開発から疎んじられてきた大岡川界隈には、今も港湾労働者の楽園だった頃の面影が色濃く残っている。
場外馬券売場、大衆演劇場、パチンコ店、そして猫の小便臭い路地裏には、昔ながらの赤提灯と縄暖簾、紫や赤の電飾看板を掲げる場末のバーが、ごちゃごちゃと低い軒を連ねていた。
そして夜ともなれば焼き鳥の煙に混じって、安っぽい商売女の脂粉の匂いが、退廃的で妖しい雰囲気を更に醸し出す。
横浜随一の風俗街。
京急日ノ出町駅の近辺に建つホモの巣窟として有名なポルノ映画館。
場末のストリップ小屋が二軒。
大岡川沿いの福富町や曙町には、ソープランドを始め、ファッションヘルス、性感エステ、デリヘルなど、ありとあらゆる風俗店がひしめき合っていた。
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