『人外境の花嫁』二.真夜中の凌辱者(八)
『人外境の花嫁』
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二.真夜中の凌辱者(八)
観念したのか女は泣きそうな顔になった。
「酷すぎる・・何の恨みがあってこんなことを・・私達が何かしたって言うんですか?」
「別に何の恨みもない。あんたらと俺は今夜が初対面だからね」
「それならどうしてっ?」
切れかかった女に、子猿はニッと歯を剥き出して笑った。
「偶然だよ。時には出会い頭の事故も起きるものさ」
事もなげに吐き捨てた子猿は、女の爪先から顔まで舐めるようにチェックする。
女はぞくぞくと背筋を凍らせた。
「な、何が目的なんですか?」
女の顔がはっきり写ったカメラのファインダーをチラつかせながら、子猿は悪びれもせず平然と言い放った。
「男は金、女は体」
「・・・・」
「まあ、警察にたれ込んでもいいけど、俺等も組織でやっているから、大人しく観念した方が身のためだよ。コンクリート詰めにされて東京湾に沈みたくなかったらね」
映像を観ながらぼそぼそと呟く子猿に、気丈だった女は青ざめて膝から崩れ落ちた。
時刻は二時近い時間になっていた。
人通りはおろか、動物園からも鳴き声一つ聞こえない静寂に包まれている。
その仄暗い闇の中、微かな雌獣の呻きが洩れ始めた。
「ん、んぐぅ・・うっ、ぐう・・」
子猿は銅燈籠に腰掛けたまま、黒いジャージを下ろしていた。
凶刀が天を衝いている。
女は子猿の足許に跪き、その凶刀を口に押し込まれていた。
つづく…
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紅殻格子の日記は「黄昏時、西の紅色空に浮かぶ三日月」に記載しています。
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「酷すぎる・・何の恨みがあってこんなことを・・私達が何かしたって言うんですか?」
「別に何の恨みもない。あんたらと俺は今夜が初対面だからね」
「それならどうしてっ?」
切れかかった女に、子猿はニッと歯を剥き出して笑った。
「偶然だよ。時には出会い頭の事故も起きるものさ」
事もなげに吐き捨てた子猿は、女の爪先から顔まで舐めるようにチェックする。
女はぞくぞくと背筋を凍らせた。
「な、何が目的なんですか?」
女の顔がはっきり写ったカメラのファインダーをチラつかせながら、子猿は悪びれもせず平然と言い放った。
「男は金、女は体」
「・・・・」
「まあ、警察にたれ込んでもいいけど、俺等も組織でやっているから、大人しく観念した方が身のためだよ。コンクリート詰めにされて東京湾に沈みたくなかったらね」
映像を観ながらぼそぼそと呟く子猿に、気丈だった女は青ざめて膝から崩れ落ちた。
時刻は二時近い時間になっていた。
人通りはおろか、動物園からも鳴き声一つ聞こえない静寂に包まれている。
その仄暗い闇の中、微かな雌獣の呻きが洩れ始めた。
「ん、んぐぅ・・うっ、ぐう・・」
子猿は銅燈籠に腰掛けたまま、黒いジャージを下ろしていた。
凶刀が天を衝いている。
女は子猿の足許に跪き、その凶刀を口に押し込まれていた。
つづく…
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