『妻の娼婦像』 第六章
『妻の娼婦像』
FC2 Blog Ranking
(六)
敬一は別れた年上の彼女を思い浮かべた。
思い遣りのある女だった。
どんなに辛いことがあっても、彼女と一緒にいると心が安らいだ。
敬一の理想の妻はそういう女だった。
しかしここで敬一が晶子の求婚をNOと言えば、今までの苦労が水の泡となる。
「あら、結婚は年齢でするものじゃないわ。私ね、子供の頃から甘やかされて育ったから、就職しても自立なんかできないと思うの。いつも近くに頼れて甘えられる人がいないと駄目みたい」
晶子が敬一に抱きつくと、バスローブの前がはだけた。
シルクのように白く滑らかな肌が現れた。
迫り出した豊かな乳房が、敬一の目の前で息づく。
想像していた通り、形の良い膨らみに小さな薄桃色の乳首が揺れている。
きゅっと括れたウエストと贅肉のない下腹部が、若鮎のような清冽さを醸しだしている。
そして柔らかな黒い翳りが、その奥に潜む快楽の園へと執着を掻き立てる。
「し、しかし、僕は君より十も年上のオジサンだよ」
敬一は掌中の獲物に食らいつきたい欲望を辛うじて抑えた。
晶子と半年付き合って、人生を託せる伴侶とはほど遠いと感じた。
若者特有の自己中心的なわがままさと、我慢や苦労を知らない傲慢さが時折、敬一の鼻についた。
晶子にとって自分は、金のなる木と便利屋でしかないのか…腹立たしくなることもあった。
しかし念願の晶子の肢体を目の当たりにして、敬一の理性をぐらついた。
「ううん、若い人は嫌い。女を母親と勘違いして、甘えたり、守って貰おうとする男ばっかり、私は頼れる年上の男の人が好きなの」
晶子は敬一の頭を両手で抱えると、豊かな乳房に押しつけた。
生温かい胸の谷間は、底無し沼のようにどこまでも柔らかい。
甘ったるい晶子の肌の匂いが鼻孔に充満し、脳神経を麻痺させる。
敬一はいけないと思いながらも、固くそそり立った乳首を転がし、凝縮した乳暈を舌先でなぞっていた。
「あん」
晶子の体が敬一の腕の中で、小さく震えて弓形に反った。
白く蠢く魔性の肢体が、敬一を愛欲の世界に引き摺り込んでいく。
「ああ、いい」
晶子は敬一の愛撫に下半身を捩った。
ウエストからヒップにかけての緩やかな白い曲線が、男の征服欲を掻き立てる。
敬一は晶子をうつ伏せにした。
細身の裸身に小高く盛り上がったヒップが艶かしい。
真っ白な双丘を撫でると、金色の産毛がビロードのような感触を掌に伝える。
敬一はそっと指先を双丘の谷間に滑らせて、その奥に待つ熱い泉を捉えようとした。
「ねえ、私と結婚してくれるの?」
晶子は両脚をしっかりと閉じ、振り向いて潤んだ瞳で敬一を見た。
その欲情を促す妖しい輝きに、敬一の理性は跡形もなく消え去った。
(こんなに素晴らしい体は初めてだ。この肉体を独占できるのなら、結婚も悪くないかもしれない。女は男で変わるものだ。確かに今はわがまま放題の晶子だが、結婚すれば落ち着いて良妻に変わるかもしれない。 それに仕事より家庭を選ぶ古風な女なんて、今時滅多にお目にかかれないし…)
敬一は晶子の女肉をこの手にできれば、他に何もいらないと思った。
「結婚しよう」
「それならいいわ」
晶子はゆっくりと両脚を開いた。
花に導かれる蝶のように、敬一はふらふらと晶子の肢体に覆い被さった。
つづく…
皆様から頂くが小説を書く原動力です
「黄昏時、西の紅色空に浮かぶ三日月」に戻る
FC2 Blog Ranking
(六)
敬一は別れた年上の彼女を思い浮かべた。
思い遣りのある女だった。
どんなに辛いことがあっても、彼女と一緒にいると心が安らいだ。
敬一の理想の妻はそういう女だった。
しかしここで敬一が晶子の求婚をNOと言えば、今までの苦労が水の泡となる。
「あら、結婚は年齢でするものじゃないわ。私ね、子供の頃から甘やかされて育ったから、就職しても自立なんかできないと思うの。いつも近くに頼れて甘えられる人がいないと駄目みたい」
晶子が敬一に抱きつくと、バスローブの前がはだけた。
シルクのように白く滑らかな肌が現れた。
迫り出した豊かな乳房が、敬一の目の前で息づく。
想像していた通り、形の良い膨らみに小さな薄桃色の乳首が揺れている。
きゅっと括れたウエストと贅肉のない下腹部が、若鮎のような清冽さを醸しだしている。
そして柔らかな黒い翳りが、その奥に潜む快楽の園へと執着を掻き立てる。
「し、しかし、僕は君より十も年上のオジサンだよ」
敬一は掌中の獲物に食らいつきたい欲望を辛うじて抑えた。
晶子と半年付き合って、人生を託せる伴侶とはほど遠いと感じた。
若者特有の自己中心的なわがままさと、我慢や苦労を知らない傲慢さが時折、敬一の鼻についた。
晶子にとって自分は、金のなる木と便利屋でしかないのか…腹立たしくなることもあった。
しかし念願の晶子の肢体を目の当たりにして、敬一の理性をぐらついた。
「ううん、若い人は嫌い。女を母親と勘違いして、甘えたり、守って貰おうとする男ばっかり、私は頼れる年上の男の人が好きなの」
晶子は敬一の頭を両手で抱えると、豊かな乳房に押しつけた。
生温かい胸の谷間は、底無し沼のようにどこまでも柔らかい。
甘ったるい晶子の肌の匂いが鼻孔に充満し、脳神経を麻痺させる。
敬一はいけないと思いながらも、固くそそり立った乳首を転がし、凝縮した乳暈を舌先でなぞっていた。
「あん」
晶子の体が敬一の腕の中で、小さく震えて弓形に反った。
白く蠢く魔性の肢体が、敬一を愛欲の世界に引き摺り込んでいく。
「ああ、いい」
晶子は敬一の愛撫に下半身を捩った。
ウエストからヒップにかけての緩やかな白い曲線が、男の征服欲を掻き立てる。
敬一は晶子をうつ伏せにした。
細身の裸身に小高く盛り上がったヒップが艶かしい。
真っ白な双丘を撫でると、金色の産毛がビロードのような感触を掌に伝える。
敬一はそっと指先を双丘の谷間に滑らせて、その奥に待つ熱い泉を捉えようとした。
「ねえ、私と結婚してくれるの?」
晶子は両脚をしっかりと閉じ、振り向いて潤んだ瞳で敬一を見た。
その欲情を促す妖しい輝きに、敬一の理性は跡形もなく消え去った。
(こんなに素晴らしい体は初めてだ。この肉体を独占できるのなら、結婚も悪くないかもしれない。女は男で変わるものだ。確かに今はわがまま放題の晶子だが、結婚すれば落ち着いて良妻に変わるかもしれない。 それに仕事より家庭を選ぶ古風な女なんて、今時滅多にお目にかかれないし…)
敬一は晶子の女肉をこの手にできれば、他に何もいらないと思った。
「結婚しよう」
「それならいいわ」
晶子はゆっくりと両脚を開いた。
花に導かれる蝶のように、敬一はふらふらと晶子の肢体に覆い被さった。
つづく…
皆様から頂くが小説を書く原動力です
「黄昏時、西の紅色空に浮かぶ三日月」に戻る