『合 わ せ 鏡』 第十四章
『合 わ せ 鏡』
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(十四 )
山の稜線が雄々しい丹沢山系は、低く垂れ込めた梅雨空の雲に、その姿をすっかり覆われていた。
土曜日の午後、早紀は雨で視界の悪い国道を、一人高座市に向けて車を走らせていた。
今日は智彦とゴルフの練習場へ行く約束をしていた。
だが急に今朝、高座市のシティホテルへ来いと、携帯に野崎からメールが入ったのだ。
先週の金沢での情事以来、初めての呼び出しだった。
(智くん、がっかりしていたな)
新品のクラブ片手にしょげる智彦に、早紀は心が痛んだ。
だがそれよりも、急な仕事と夫を偽ってまで、再び野崎の命令に従ってしまう自分が恐かった。
この一週間、早紀は野崎に抱かれた夜を、悪夢だと思い込もうとした。
そうでもしなければ、智彦の顔を見ることさえ憚られた。
だが高座中央病院のアダミットの処方は急激に増え始めた。
田中医師も掌を返したように、積極的に使いたいと言い出した。
そして今朝のメール。
悪夢は、早紀の願いとは別に、現実として目の前に再び姿を現した。
ホテルの指定された部屋に入ると、野崎は大きなダブルベッドに寝転がってテレビを見ていた。
「今夜このホテルで、高座市医師会主催の市民医学セミナーが開かれる。講師として招かれているんだが、夜まで時間を持て余してしまってね」
早紀を見て野崎は笑った。
暇つぶしに呼び出しておきながら、悪ぶれた様子もない。
「アダミッドの処方は増えたかな?」
「は、はい。ありがとうございました」
礼などする必要もないのに、早紀は野崎に深々と頭を下げた。
首筋に刻印された牝奴隷の証がズキンと痛んだ。
早速、野崎は裸になるよう命じた。
早紀はしばらく躊躇っていたが、のろのろと若草色のスーツを脱いだ。
無言で野崎は早紀を見つめている。いっそ乱暴に着衣を剥ぎ取られる方がましだと思った。
早紀は羞恥のあまり、何度か脚をふらつかせた。
「うん、何度見てもいい形の乳房だ。改めて立ち姿になると、ぐっとせり上がった尻の形も、また男心をそそるな」
全裸で立たされたまま、野崎に五分も視姦された早紀は、熱い花蜜が太腿の内側まで濡らしているのを感じた。
野崎は部屋の隅にある椅子を指差した。
肘掛がついた一人用の椅子だった。
野崎は早紀を座らせると、鞄から黒い縄を取り出した。
「今日は本物の牝奴隷にしてやる」
にやりと笑いながら野崎は凄んだ。
「い、いや」
早紀は身をよじって抗ったが、男の力には及ばない。
両の乳房を搾り出すように縄が架けられ、腕ごと上半身を背もたれに縛りつけられた。
そして下半身は、両膝を肘掛に結びつけられた。
椅子の上で開脚し、秘所が丸出しにされた格好だ。
縛られた乳房はパンパンに腫れ、乳首を摘ままれただけで失神してしまいそうなほど、敏感になっていた。
しかも出産する妊婦のような姿で固定された下半身は、秘所どころか、尻の穴まで白日に晒してしまっている。
野崎は芸術作品を鑑賞する厳しさで、あらゆる角度から早紀の痴態をチェックした。
「はしたない女だ。もうバルトリン線液を肛門まで垂れ流して」
「うう…」
つづく…
皆様から頂くが小説を書く原動力です
「黄昏時、西の紅色空に浮かぶ三日月」に戻る
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山の稜線が雄々しい丹沢山系は、低く垂れ込めた梅雨空の雲に、その姿をすっかり覆われていた。
土曜日の午後、早紀は雨で視界の悪い国道を、一人高座市に向けて車を走らせていた。
今日は智彦とゴルフの練習場へ行く約束をしていた。
だが急に今朝、高座市のシティホテルへ来いと、携帯に野崎からメールが入ったのだ。
先週の金沢での情事以来、初めての呼び出しだった。
(智くん、がっかりしていたな)
新品のクラブ片手にしょげる智彦に、早紀は心が痛んだ。
だがそれよりも、急な仕事と夫を偽ってまで、再び野崎の命令に従ってしまう自分が恐かった。
この一週間、早紀は野崎に抱かれた夜を、悪夢だと思い込もうとした。
そうでもしなければ、智彦の顔を見ることさえ憚られた。
だが高座中央病院のアダミットの処方は急激に増え始めた。
田中医師も掌を返したように、積極的に使いたいと言い出した。
そして今朝のメール。
悪夢は、早紀の願いとは別に、現実として目の前に再び姿を現した。
ホテルの指定された部屋に入ると、野崎は大きなダブルベッドに寝転がってテレビを見ていた。
「今夜このホテルで、高座市医師会主催の市民医学セミナーが開かれる。講師として招かれているんだが、夜まで時間を持て余してしまってね」
早紀を見て野崎は笑った。
暇つぶしに呼び出しておきながら、悪ぶれた様子もない。
「アダミッドの処方は増えたかな?」
「は、はい。ありがとうございました」
礼などする必要もないのに、早紀は野崎に深々と頭を下げた。
首筋に刻印された牝奴隷の証がズキンと痛んだ。
早速、野崎は裸になるよう命じた。
早紀はしばらく躊躇っていたが、のろのろと若草色のスーツを脱いだ。
無言で野崎は早紀を見つめている。いっそ乱暴に着衣を剥ぎ取られる方がましだと思った。
早紀は羞恥のあまり、何度か脚をふらつかせた。
「うん、何度見てもいい形の乳房だ。改めて立ち姿になると、ぐっとせり上がった尻の形も、また男心をそそるな」
全裸で立たされたまま、野崎に五分も視姦された早紀は、熱い花蜜が太腿の内側まで濡らしているのを感じた。
野崎は部屋の隅にある椅子を指差した。
肘掛がついた一人用の椅子だった。
野崎は早紀を座らせると、鞄から黒い縄を取り出した。
「今日は本物の牝奴隷にしてやる」
にやりと笑いながら野崎は凄んだ。
「い、いや」
早紀は身をよじって抗ったが、男の力には及ばない。
両の乳房を搾り出すように縄が架けられ、腕ごと上半身を背もたれに縛りつけられた。
そして下半身は、両膝を肘掛に結びつけられた。
椅子の上で開脚し、秘所が丸出しにされた格好だ。
縛られた乳房はパンパンに腫れ、乳首を摘ままれただけで失神してしまいそうなほど、敏感になっていた。
しかも出産する妊婦のような姿で固定された下半身は、秘所どころか、尻の穴まで白日に晒してしまっている。
野崎は芸術作品を鑑賞する厳しさで、あらゆる角度から早紀の痴態をチェックした。
「はしたない女だ。もうバルトリン線液を肛門まで垂れ流して」
「うう…」
つづく…
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