『合 わ せ 鏡』 第十三章
『合 わ せ 鏡』
FC2 Blog Ranking
(十三 )
ベッドの縁に腰かけた野崎の前に、早紀は跪かされた。
開いた両足の間には黒々としたおぞましいものが脈動に合わせて小刻みに揺れながら、鎌首をもたげて早紀を睨みつけている。
智彦の肉茎と比べると、一回り大きくグロテスクに感じる。
しかも長年京子の体を犯してきた邪悪なものだと思うと、その禍々しさに、早紀は身を震わせた。
早紀は瞳を閉じて肉塊を口に含んだ。
生臭さが口いっぱいに拡がり、焼きごてを押し当てられたような熱を舌に感じた。
「どうだ、亭主を裏切って、間男のものをしゃぶらされる気持ちは?」
早紀は瞳を伏せたまま、首を小さく横に振った。
「ふん、まだ自分の淫らさを隠し通すつもりか」
野崎に髪をつかまれ、喉に届くまで肉塊を押し込まれた。
「ううっ」
早紀がむせた一瞬をついて、野崎は正座している太腿の隙間へ足を滑り込ませてきた。
「ほら、またこんなに濡れている。こうして嬲られると感じるんだろう?性的にはマゾヒズムが強いんだよ」
醜悪な肉塊に口を塞がれ、足指で秘所を弄ばれる屈辱が、早紀をいっそう高みに押し上げる。
「犯して…」
抑え切れない快楽の大津波が、早紀を一気に飲み込んだ。
早紀は肉塊を手でしごきながら、哀願の目を野崎に向けた。
野崎はベッドの上で四つん這いになるよう命じた。
獣のように尻と付き出して性器を露にさせ、野崎は背後からゆっくりと挿入してくる。
「ああ、先生に犯される…」
自分でも思ってもいなかった被虐的な言葉が、自然と口について出る。
「そうだ、お前はもう俺の牝奴隷だ」
野崎は付き出した早紀の尻を両手で叩き、荒々しく腰を動かした。
「ああ、気持ちいい…気持ちいいです」
早紀は牝奴隷という言葉に酔った。
権力への運命的な服従がその語感に漂っていた。
早紀は秘唇がはみ出すほど尻肉を鷲づかみにされ、乳房がひしゃげるほど激しく野崎に肉塊を打ち据えられた。
「多分、亭主はお前の尻に敷かれっぱなしなんだろう。昼の生活なら、その方が上手くいくかもしれない。だが夜は人間の本性が剥き出しになる。そんな弱い亭主では、お前のマゾヒズムを満たせなかったはずだ」
「…あん、夫のことは言わないで…あうう、もっと犯して下さい…体をメチャメチャにして…」
早紀は果てしなく湧き上がる劣情を、抑える理性をもはや失っていた。
「そこへ俺が現れた。お前に与えられた役割は、薬を売るために夫を裏切り、悪魔に身を捧げなければならない哀れな人妻。マゾヒストにとっては、垂涎のシチュエーションだろう? 現にお前は迷うことなく金沢について来た」
野崎は早紀の体だけでなく、心の内にまで君臨しようとしていた。
智彦への罪悪感も消え、ただ野崎に犯される悦びだけを早紀は貪った。
「天性の淫乱マゾだな…」
野崎は最後の力を振り絞るように、バックから早紀を責めたてた。
「いく、先生、いっちゃう…」
早紀は髪を振り乱し、狂ったように泣き叫んだ。
「お前に牝奴隷の刻印を与えてやる」
野崎は腰を動かしたまま早紀の背中に覆い被さるや、首の後ろを小さく噛んだ。
早紀は噛まれた痛みとともに、一気に絶頂を迎えて意識を失った。
つづく…
皆様から頂くが小説を書く原動力です
「黄昏時、西の紅色空に浮かぶ三日月」に戻る
FC2 Blog Ranking
(十三 )
ベッドの縁に腰かけた野崎の前に、早紀は跪かされた。
開いた両足の間には黒々としたおぞましいものが脈動に合わせて小刻みに揺れながら、鎌首をもたげて早紀を睨みつけている。
智彦の肉茎と比べると、一回り大きくグロテスクに感じる。
しかも長年京子の体を犯してきた邪悪なものだと思うと、その禍々しさに、早紀は身を震わせた。
早紀は瞳を閉じて肉塊を口に含んだ。
生臭さが口いっぱいに拡がり、焼きごてを押し当てられたような熱を舌に感じた。
「どうだ、亭主を裏切って、間男のものをしゃぶらされる気持ちは?」
早紀は瞳を伏せたまま、首を小さく横に振った。
「ふん、まだ自分の淫らさを隠し通すつもりか」
野崎に髪をつかまれ、喉に届くまで肉塊を押し込まれた。
「ううっ」
早紀がむせた一瞬をついて、野崎は正座している太腿の隙間へ足を滑り込ませてきた。
「ほら、またこんなに濡れている。こうして嬲られると感じるんだろう?性的にはマゾヒズムが強いんだよ」
醜悪な肉塊に口を塞がれ、足指で秘所を弄ばれる屈辱が、早紀をいっそう高みに押し上げる。
「犯して…」
抑え切れない快楽の大津波が、早紀を一気に飲み込んだ。
早紀は肉塊を手でしごきながら、哀願の目を野崎に向けた。
野崎はベッドの上で四つん這いになるよう命じた。
獣のように尻と付き出して性器を露にさせ、野崎は背後からゆっくりと挿入してくる。
「ああ、先生に犯される…」
自分でも思ってもいなかった被虐的な言葉が、自然と口について出る。
「そうだ、お前はもう俺の牝奴隷だ」
野崎は付き出した早紀の尻を両手で叩き、荒々しく腰を動かした。
「ああ、気持ちいい…気持ちいいです」
早紀は牝奴隷という言葉に酔った。
権力への運命的な服従がその語感に漂っていた。
早紀は秘唇がはみ出すほど尻肉を鷲づかみにされ、乳房がひしゃげるほど激しく野崎に肉塊を打ち据えられた。
「多分、亭主はお前の尻に敷かれっぱなしなんだろう。昼の生活なら、その方が上手くいくかもしれない。だが夜は人間の本性が剥き出しになる。そんな弱い亭主では、お前のマゾヒズムを満たせなかったはずだ」
「…あん、夫のことは言わないで…あうう、もっと犯して下さい…体をメチャメチャにして…」
早紀は果てしなく湧き上がる劣情を、抑える理性をもはや失っていた。
「そこへ俺が現れた。お前に与えられた役割は、薬を売るために夫を裏切り、悪魔に身を捧げなければならない哀れな人妻。マゾヒストにとっては、垂涎のシチュエーションだろう? 現にお前は迷うことなく金沢について来た」
野崎は早紀の体だけでなく、心の内にまで君臨しようとしていた。
智彦への罪悪感も消え、ただ野崎に犯される悦びだけを早紀は貪った。
「天性の淫乱マゾだな…」
野崎は最後の力を振り絞るように、バックから早紀を責めたてた。
「いく、先生、いっちゃう…」
早紀は髪を振り乱し、狂ったように泣き叫んだ。
「お前に牝奴隷の刻印を与えてやる」
野崎は腰を動かしたまま早紀の背中に覆い被さるや、首の後ろを小さく噛んだ。
早紀は噛まれた痛みとともに、一気に絶頂を迎えて意識を失った。
つづく…
皆様から頂くが小説を書く原動力です
「黄昏時、西の紅色空に浮かぶ三日月」に戻る