『合 わ せ 鏡』 第十一章
『合 わ せ 鏡』
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(十一 )
胡坐をかいた男の膝の上で、女が背後から抱きかかえられている。
画質が荒く、アングルが固定されているところを見ると、ホームビデオで撮影されたものと察しがつく。
カメラに向かって女は男に乳房を揉まれ、小さな喘ぎ声を漏らしている。
男の顔は女に隠れて見えない。
身悶える女は―。
「か、葛西先生?」
メガネをかけず、いつもより化粧が派手だからわからなかったが、薬局の葛西京子に間違いなかった。
早紀は野崎を見た。
野崎はそれに答えず、にんまりと笑っただけだった。
反射的に早紀は、京子の小振りな乳房を鷲づかみにしている男の手に目が行った。
予感通り、手の甲は毛むくじゃらだった。
「京子とは、もう十五年続いている」
野崎はぽつりとDVDを見ながら呟いた。
女として仕事を続け、妻として母として家庭へも深い愛情を注ぐ京子。
早紀の理想像だった京子が、野崎との不実な獣の関係を、結婚当初から結んでいたのだ。
早紀はこれ以上、穢れた京子を見たくなかった。
だが凍りついたように、DVDから視線を逸らすことができずにいた。
背後から乳房を弄んでいた野崎の手が、四十歳とは思えない京子のくびれたウエストをゆっくりと這い下り、両脚をM字型にこじ開けていく。
早紀は息を呑んだ。
二十八歳の人妻ともなれば、裏ビデオで同性の秘所を見たことくらいある。
だがそれが知人ともなると話は別だ。
(ああ、丸見えになっちゃう)
淫らな京子の姿態を見て、早紀は自分の体が弄ばれているような錯覚を覚えた。
野崎の膝の上で、京子はカメラに向かって両脚を開かされた。
粗い画像だが、黒々した恥毛の下で、深紅のスリットがほころんでいるのが見てとれる。
聡明な白衣姿の京子からは想像もできないほど、その秘所は淫らな光沢を帯びていた。
野崎の無骨な指が、合わせ目に潜む薄桃色のクリトリスを抉り出す。
京子は上半身を仰け反らせ、てきぱきとした昼間の口調とは別人の甘ったるい喘ぎ声をあげた。
思いもよらぬDVDの映像に、知らず知らず引き込まれていた早紀は、はっと我に返った。
呼吸が荒く、口の中がからからと乾いている。
しかも困ったことに、下腹部がじんと痺れたように熱を帯びている。
早紀はしっかりと揃えていた両腿を、もじもじするように少しずらした。
(あ…)
その途端、体の奥から、熱い蜜が溢れ出すのが自分でもわかった。
つづく…
皆様から頂くが小説を書く原動力です
「黄昏時、西の紅色空に浮かぶ三日月」に戻る
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胡坐をかいた男の膝の上で、女が背後から抱きかかえられている。
画質が荒く、アングルが固定されているところを見ると、ホームビデオで撮影されたものと察しがつく。
カメラに向かって女は男に乳房を揉まれ、小さな喘ぎ声を漏らしている。
男の顔は女に隠れて見えない。
身悶える女は―。
「か、葛西先生?」
メガネをかけず、いつもより化粧が派手だからわからなかったが、薬局の葛西京子に間違いなかった。
早紀は野崎を見た。
野崎はそれに答えず、にんまりと笑っただけだった。
反射的に早紀は、京子の小振りな乳房を鷲づかみにしている男の手に目が行った。
予感通り、手の甲は毛むくじゃらだった。
「京子とは、もう十五年続いている」
野崎はぽつりとDVDを見ながら呟いた。
女として仕事を続け、妻として母として家庭へも深い愛情を注ぐ京子。
早紀の理想像だった京子が、野崎との不実な獣の関係を、結婚当初から結んでいたのだ。
早紀はこれ以上、穢れた京子を見たくなかった。
だが凍りついたように、DVDから視線を逸らすことができずにいた。
背後から乳房を弄んでいた野崎の手が、四十歳とは思えない京子のくびれたウエストをゆっくりと這い下り、両脚をM字型にこじ開けていく。
早紀は息を呑んだ。
二十八歳の人妻ともなれば、裏ビデオで同性の秘所を見たことくらいある。
だがそれが知人ともなると話は別だ。
(ああ、丸見えになっちゃう)
淫らな京子の姿態を見て、早紀は自分の体が弄ばれているような錯覚を覚えた。
野崎の膝の上で、京子はカメラに向かって両脚を開かされた。
粗い画像だが、黒々した恥毛の下で、深紅のスリットがほころんでいるのが見てとれる。
聡明な白衣姿の京子からは想像もできないほど、その秘所は淫らな光沢を帯びていた。
野崎の無骨な指が、合わせ目に潜む薄桃色のクリトリスを抉り出す。
京子は上半身を仰け反らせ、てきぱきとした昼間の口調とは別人の甘ったるい喘ぎ声をあげた。
思いもよらぬDVDの映像に、知らず知らず引き込まれていた早紀は、はっと我に返った。
呼吸が荒く、口の中がからからと乾いている。
しかも困ったことに、下腹部がじんと痺れたように熱を帯びている。
早紀はしっかりと揃えていた両腿を、もじもじするように少しずらした。
(あ…)
その途端、体の奥から、熱い蜜が溢れ出すのが自分でもわかった。
つづく…
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