『再びの夏』 第八章
『再びの夏』(八)
FC2 R18官能小説
(八)
邦彦が恥ずかしそうに顔を赤く染めるのを見て、由紀子もかっと胸が熱く燃えた。
「まあ、悪い子ね。子供のくせに女を喜ばせるようなことを言って。いやらしい。人妻を口説こうとするなんて」
「そ、そんなつもりは…」
「ダメ、許せないわ。夫に言いつけます」
「えっ、か、勘弁してください」
邦彦は泣きそうな顔で、すがるように由紀子を見つめた。
その表情が、また母性本能をくすぐる。
「もう、仕方ない子ね。罰として私の言うことを何でも聞く?」
「聞きます。何でも聞きます」
「では罰ゲームを宣告します。今日一日、英夫と遊んでちょうだい。でも公園は暑いから我が家に来ることを許します」
そう言ってから、由紀子はどきどきしながら邦彦の反応を窺った。
「謹んで罰を受けさせて戴きます」
言葉遊びの続きだと思っている邦彦は、無邪気な表情で深々と頭を下げた。
再び頭上の木がざわっと揺れた。
邦彦の笑顔を見た瞬間、心の中に独身時代のような情熱が沸き立つのを、由紀子は止められなかった。
夫のいない家に青年を招くのは、人妻としてあるまじき行いだ。
そして自分は、彼をそのまま何もなく帰すことはできないだろう。そう確信した。
(でも私を救ってくれるのは彼しかいない)
由紀子は罪悪感に苛まれつつも、そう懸命に言い訳をして決心を固めた。
空虚な心が壊れてしまう前に―。
つづく…
皆様から頂くが小説を書く原動力です
「黄昏時、西の紅色空に浮かぶ三日月」に戻る
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邦彦が恥ずかしそうに顔を赤く染めるのを見て、由紀子もかっと胸が熱く燃えた。
「まあ、悪い子ね。子供のくせに女を喜ばせるようなことを言って。いやらしい。人妻を口説こうとするなんて」
「そ、そんなつもりは…」
「ダメ、許せないわ。夫に言いつけます」
「えっ、か、勘弁してください」
邦彦は泣きそうな顔で、すがるように由紀子を見つめた。
その表情が、また母性本能をくすぐる。
「もう、仕方ない子ね。罰として私の言うことを何でも聞く?」
「聞きます。何でも聞きます」
「では罰ゲームを宣告します。今日一日、英夫と遊んでちょうだい。でも公園は暑いから我が家に来ることを許します」
そう言ってから、由紀子はどきどきしながら邦彦の反応を窺った。
「謹んで罰を受けさせて戴きます」
言葉遊びの続きだと思っている邦彦は、無邪気な表情で深々と頭を下げた。
再び頭上の木がざわっと揺れた。
邦彦の笑顔を見た瞬間、心の中に独身時代のような情熱が沸き立つのを、由紀子は止められなかった。
夫のいない家に青年を招くのは、人妻としてあるまじき行いだ。
そして自分は、彼をそのまま何もなく帰すことはできないだろう。そう確信した。
(でも私を救ってくれるのは彼しかいない)
由紀子は罪悪感に苛まれつつも、そう懸命に言い訳をして決心を固めた。
空虚な心が壊れてしまう前に―。
つづく…
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