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『再びの夏』 第七章

『再びの夏』(七)
FC2 R18官能小説

(七)

由紀子はふうっとため息をついた。

「でも短大を卒業してからもう十年近く経つのか・・・」

「十年ですか・・・すると奥さんが二十歳の時に、僕は小学生だったわけですね。この差は大きいなあ」

「こら、まだ言うか!」

由紀子は軽く邦彦の肩を叩いた。
あまりに自然でフィーリングの合った会話に、由紀子は思わず軽口をきいた。

叩いてからはっとした。

「ご、ごめんなさい。つい…」

たまたま近所に住んでいるだけの関係でしかない邦彦に、由紀子は馴れ馴れし過ぎると反省した。
だが邦彦は楽しそうに微笑んでいた。

十八歳―屈託のない青年の笑顔だ。
その悪戯っぽい瞳が愛らしく、口唇から僅かに覗く白い歯が爽やかに見えた。

由紀子もつられて笑った。
笑いながら由紀子は、乙女のように胸が高鳴っている自分に気がついた。

(馬鹿な私…)

由紀子は自嘲しつつ、邦彦と一歩距離を置こうとした。

「全く、オバサンをからかうのもいい加減にしなさい」

だが邦彦は、由紀子の気持ちを掻きむしるような台詞を口にした。

「本当にオバサンだと思っていたら、冗談でも歳のことなんて言えませんよ。奥さんはお若くて綺麗ですよ」
つづく…

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紅殻格子 

Author:紅殻格子 
紅殻格子は、別名で雑誌等に官能小説を発表する作家です。

表のメディアで満たせない性の妄想を描くためブログ開設

繊細な人間描写で綴る芳醇な官能世界をご堪能ください。

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「妄想の座敷牢に」お越しくださいまして ありがとうございます。 ブログ内は性的描写が多く 含まれております。 不快と思われる方、 18歳未満の方の閲覧は お断りさせていただきます。               
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日本動物児童文学賞・環境大臣賞を受賞。
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