『蟻地獄』 第二章
『蟻地獄』
二.
予感は的中した。
流し台の前で、二人が真剣な表情で向かい合っている。
「・・こ、困るわ」
「好きなんだ・・親友の彼女だとわかっていても・・」
松浦の手が、由香の腕をつかんで強く抱き寄せた。
驚きと怒りで、眠っていた脳がかっと沸騰する。
親友だと信じていた松浦が、由香に密かな横恋慕を抱いていたのだ。
(血迷ったか、松浦・・)
ぐっと拳を握り締めると、松浦の邪念から由香を救うべく襖に指をかけた。
その刹那。
「・・私も好きだった」
驚くべき台詞が由香の口をついて出た。
そしてあろうことか、由香は自分から松浦の背中に手を回して抱きついた。
「嬉しいよ、由香・・」
松浦は由香の顎を掌で押さえると、そのルージュも引いていない口唇を奪った。
金槌で頭を叩かれたような衝撃が全身を貫く。
(まだ夢を見ているのか・・?)
握り締めた拳を振り下ろすこともできず、襖の隙間で演じられる恋人と親友の裏切りを、ただ口を半開きにして見入るしかなかった。
松浦の手が由香の背中から豊かなヒップへ伝う。
「ずっと由香を見ていた・・あいつから奪いたかった」
由香は艶かしく体をよじって、松浦の手をさらに深部へ導こうとする。
「ああ、いつかこうなると思っていた・・私を奪って・・私をあなたの女にして・・」
由香に貸したジャージは、もう太腿までずり下ろされ、淡いピンクのショーツも、形のいいヒップの半分も覆っていない。
高橋の指がヒップの谷間へ滑り、由香の陰部を断りもなく蹂躙していく。
すでに潤っているのか、陰部はクチュクチュと恥知らずな淫音を奏で始めた。
まるで覗きからくりのように、わずかな隙間から漏れる不貞の映像が網膜を焦がす。
(・・由香)
つづく…
「黄昏時、西の紅色空に浮かぶ三日月」に戻る
二.
予感は的中した。
流し台の前で、二人が真剣な表情で向かい合っている。
「・・こ、困るわ」
「好きなんだ・・親友の彼女だとわかっていても・・」
松浦の手が、由香の腕をつかんで強く抱き寄せた。
驚きと怒りで、眠っていた脳がかっと沸騰する。
親友だと信じていた松浦が、由香に密かな横恋慕を抱いていたのだ。
(血迷ったか、松浦・・)
ぐっと拳を握り締めると、松浦の邪念から由香を救うべく襖に指をかけた。
その刹那。
「・・私も好きだった」
驚くべき台詞が由香の口をついて出た。
そしてあろうことか、由香は自分から松浦の背中に手を回して抱きついた。
「嬉しいよ、由香・・」
松浦は由香の顎を掌で押さえると、そのルージュも引いていない口唇を奪った。
金槌で頭を叩かれたような衝撃が全身を貫く。
(まだ夢を見ているのか・・?)
握り締めた拳を振り下ろすこともできず、襖の隙間で演じられる恋人と親友の裏切りを、ただ口を半開きにして見入るしかなかった。
松浦の手が由香の背中から豊かなヒップへ伝う。
「ずっと由香を見ていた・・あいつから奪いたかった」
由香は艶かしく体をよじって、松浦の手をさらに深部へ導こうとする。
「ああ、いつかこうなると思っていた・・私を奪って・・私をあなたの女にして・・」
由香に貸したジャージは、もう太腿までずり下ろされ、淡いピンクのショーツも、形のいいヒップの半分も覆っていない。
高橋の指がヒップの谷間へ滑り、由香の陰部を断りもなく蹂躙していく。
すでに潤っているのか、陰部はクチュクチュと恥知らずな淫音を奏で始めた。
まるで覗きからくりのように、わずかな隙間から漏れる不貞の映像が網膜を焦がす。
(・・由香)
つづく…
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