『マネキン妻の懊悩』(十三)
『マネキン妻の懊悩』(十三)
「妄想の囲炉裏端」紅殻格子の呟き入口
FC2 R18官能小説
十三
十一時。
店を出た美咲は山田の腕にすがりついた。
「先生、今夜は有難うございました」
「先生は止めてくれよ」
「いいえ、先生は世界でただ一人、私の苦しみを癒してくれる先生です」
「しかし神倉さん、本当にいいのかね。イヴの欲望を満たすってことは、その、僕も君の裸身をだね、あの、見たり触ったりするってことになるんだよ」
「・・わかっています。相手が先生だったら、私・・・」
美咲は黙って俯いた。身も心も山田に託す覚悟はすでにできていた。
「そうか・・そこまで決意しているのか・・」
山田は美咲の手をぎゅっと握り締めてきた。
美咲も山田の腕に乳房を押し当てた。
官能小説家は、どうやってイヴの淫欲を叶えてくれるのだろうか。
優しい夫を裏切るのは心苦しい。
だがこのまま淫欲の火種を燻らせておけば、美咲自身も心と体に変調を来たしてしまうだろう。
(イヴ・・)
美咲は小さく呟いた。
明日の土曜日、約束した山田との逢瀬を想うだけで、美咲の心は不安と期待にざわざわとさざ波立つのだった。
つづく…
『紅殻格子メディア掲載作品&携帯小説配信サイト』紹介
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「いいえ、先生は世界でただ一人、私の苦しみを癒してくれる先生です」
「しかし神倉さん、本当にいいのかね。イヴの欲望を満たすってことは、その、僕も君の裸身をだね、あの、見たり触ったりするってことになるんだよ」
「・・わかっています。相手が先生だったら、私・・・」
美咲は黙って俯いた。身も心も山田に託す覚悟はすでにできていた。
「そうか・・そこまで決意しているのか・・」
山田は美咲の手をぎゅっと握り締めてきた。
美咲も山田の腕に乳房を押し当てた。
官能小説家は、どうやってイヴの淫欲を叶えてくれるのだろうか。
優しい夫を裏切るのは心苦しい。
だがこのまま淫欲の火種を燻らせておけば、美咲自身も心と体に変調を来たしてしまうだろう。
(イヴ・・)
美咲は小さく呟いた。
明日の土曜日、約束した山田との逢瀬を想うだけで、美咲の心は不安と期待にざわざわとさざ波立つのだった。
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