『マネキン妻の懊悩』(十二)
『マネキン妻の懊悩』(十二)
「妄想の囲炉裏端」紅殻格子の呟き入口
FC2 R18官能小説
十二
美咲の言葉を逆手に取って山田は指摘した。
「つまり神倉さんは、常に裸身を見られることを意識しているわけだ。裏を返せば、誰かに見てもらいたいから、必要以上に下着へ気を使うんだ。若い娘が勝負下着をつけるのは、彼氏に裸身を見てもらいたからだよ。それと同じだな」
「・・そんな」
絶句する美咲を無視して、山田は心理分析を続けた。
「受付も人に見られる仕事だ。たぶん神倉さんが受付に執着するのも、心の奥に自分が見られたい欲望があるからだよ」
「・・・・」
押し黙ってしまった美咲に、山田は言い過ぎたかと不安を感じたらしい。
「か、神倉さん・・大丈夫か?」
顔を覗き込む山田に美咲はポツリと告げた。
「・・もし先生が言う通り、私に変態性欲があったら、読者の方と同じように叶えてくれますか?」
山田はきょとんとした顔をした。
「えっ、それって・・当たっちゃったってこと?」
美咲はこっくりと頷いた。
「私の心の裏側をそこまで暴いておいて、知らん顔するようなことはないですよね」
再び美咲は山田の指をつかむと、ゆっくりと反対方向へねじ曲げた。
「わ、わかった、何でもするから・・落ち着いて、事情を話してみなさい」
ママと玲奈に席を外させた山田は、反り返ってしまった指を摩りながら、美咲が語るイヴの悩みを真剣に聞き始めた。
つづく…
『紅殻格子メディア掲載作品&携帯小説配信サイト』紹介
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美咲の言葉を逆手に取って山田は指摘した。
「つまり神倉さんは、常に裸身を見られることを意識しているわけだ。裏を返せば、誰かに見てもらいたいから、必要以上に下着へ気を使うんだ。若い娘が勝負下着をつけるのは、彼氏に裸身を見てもらいたからだよ。それと同じだな」
「・・そんな」
絶句する美咲を無視して、山田は心理分析を続けた。
「受付も人に見られる仕事だ。たぶん神倉さんが受付に執着するのも、心の奥に自分が見られたい欲望があるからだよ」
「・・・・」
押し黙ってしまった美咲に、山田は言い過ぎたかと不安を感じたらしい。
「か、神倉さん・・大丈夫か?」
顔を覗き込む山田に美咲はポツリと告げた。
「・・もし先生が言う通り、私に変態性欲があったら、読者の方と同じように叶えてくれますか?」
山田はきょとんとした顔をした。
「えっ、それって・・当たっちゃったってこと?」
美咲はこっくりと頷いた。
「私の心の裏側をそこまで暴いておいて、知らん顔するようなことはないですよね」
再び美咲は山田の指をつかむと、ゆっくりと反対方向へねじ曲げた。
「わ、わかった、何でもするから・・落ち着いて、事情を話してみなさい」
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