『パート妻の純情』(十三)
『パート妻の純情』(十三)
「妄想の囲炉裏端」紅殻格子の呟き入口
FC2 R18官能小説
ヘッドセットとは、ヘッドホーン型の受話器にマイクがついた電話機器である。
現在使っている普通の受話器では、どうしても片手が塞がるため、注文を聞きながら受注票を書いたり入力したりする作業が難しい。
だがヘッドセットを使えば、両手が空くので作業効率が遥かに改善されるはずだった。
彩子は浩平に問いかけた。
「それを二人の上司が許してくれたの?」
「許すと言うか、あの二人は無気力で事なかれ主義ですから、提案があるなら自分で本社にかけあってこいと言われました」
「でも私が一緒に行っても・・」
「受注センターを良くするためには、絶対に必要な投資だと僕は思っています。本社から金を引き出させるには、現場の意見が非常に重みを持ちます。だから柴崎さんの生の声を本社の幹部に伝えて欲しいんです」
甘えん坊で頼りないとばかり思っていた浩平が、彩子には別人のように逞しく見えた。
彩子は上目遣いに浩平の顔を見上げた。
「浅沼君・・わ、私でいいの?」
「勿論です。こんなお願いできるのは、パート社員さんのリーダーである柴崎さんしかいません」
さっき握られた手が熱く疼いた。
「・・わかったわ」
彩子は伏し目がちに小さく頷いた。
「良かった。実はこの提案に批判的だった二人の上司に、絶対に本社は了解してくれると大見得を切っちゃったんですよ。柴崎さんが応援してくれれば鬼に金棒です」
つづく…
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だがヘッドセットを使えば、両手が空くので作業効率が遥かに改善されるはずだった。
彩子は浩平に問いかけた。
「それを二人の上司が許してくれたの?」
「許すと言うか、あの二人は無気力で事なかれ主義ですから、提案があるなら自分で本社にかけあってこいと言われました」
「でも私が一緒に行っても・・」
「受注センターを良くするためには、絶対に必要な投資だと僕は思っています。本社から金を引き出させるには、現場の意見が非常に重みを持ちます。だから柴崎さんの生の声を本社の幹部に伝えて欲しいんです」
甘えん坊で頼りないとばかり思っていた浩平が、彩子には別人のように逞しく見えた。
彩子は上目遣いに浩平の顔を見上げた。
「浅沼君・・わ、私でいいの?」
「勿論です。こんなお願いできるのは、パート社員さんのリーダーである柴崎さんしかいません」
さっき握られた手が熱く疼いた。
「・・わかったわ」
彩子は伏し目がちに小さく頷いた。
「良かった。実はこの提案に批判的だった二人の上司に、絶対に本社は了解してくれると大見得を切っちゃったんですよ。柴崎さんが応援してくれれば鬼に金棒です」
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