『パート妻の純情』(十二)
『パート妻の純情』(十二)
「妄想の囲炉裏端」紅殻格子の呟き入口
FC2 R18官能小説
こんな時間に街へ出るのは久しぶりだ。
遠くすすきののネオンが、低く垂れ込めた雲を赤々と染めている。
ふと背後から彩子を呼ぶ声がした。
振り向くと浩平が追いかけてくる。
「柴崎さん」
「ど、どうしたの? 浅沼君」
浩平は肩で呼吸をしながら頭を下げた。
「本当に今日は有難うございました。柴崎さんがいなければ、僕は会社を辞めるしかないところでした」
「違うわ。皆が残業してくれたのは浅沼君の魅力よ」
「いえ、柴崎さんが若いパートさんをまとめて戴けたおかげです」
浩平の吐く白い息が、彩子の口許へ甘く漂ってくる。
「もういいから・・早く女の子達とカラオケに行きなさい」
「はあ、実は厚かましいんですが、柴崎さんにもう一つお願いがありまして・・」
「お願い?」
冷たい夜風に街路樹がざわざわ揺れた。
浩平は言い辛そうにしばらくもじもじしていたが、意を決したかきりっとした眼差しを彩子に向けた。
「はい。東京飲料の本社がある東京へ、僕と一緒に出張して戴きたいんです」
「え?」
彩子は吃驚した。
パート社員、しかも事務のオバサンが出張とはただ事ではない。
「以前柴崎さんが話されていたヘッドセットを、本社に掛け合って実現したいんです」
それは何かの折、彩子が新入社員の浩平にぽろっと洩らしたことだった。
つづく…
皆様から頂くが小説を書く原動力です
『紅殻格子メディア掲載作品&携帯小説配信サイト』紹介
にほんブログ村 恋愛小説(愛欲) FC2官能小説 人気ブログランキング~愛と性~
「妄想の囲炉裏端」紅殻格子の呟き入口
FC2 R18官能小説
こんな時間に街へ出るのは久しぶりだ。
遠くすすきののネオンが、低く垂れ込めた雲を赤々と染めている。
ふと背後から彩子を呼ぶ声がした。
振り向くと浩平が追いかけてくる。
「柴崎さん」
「ど、どうしたの? 浅沼君」
浩平は肩で呼吸をしながら頭を下げた。
「本当に今日は有難うございました。柴崎さんがいなければ、僕は会社を辞めるしかないところでした」
「違うわ。皆が残業してくれたのは浅沼君の魅力よ」
「いえ、柴崎さんが若いパートさんをまとめて戴けたおかげです」
浩平の吐く白い息が、彩子の口許へ甘く漂ってくる。
「もういいから・・早く女の子達とカラオケに行きなさい」
「はあ、実は厚かましいんですが、柴崎さんにもう一つお願いがありまして・・」
「お願い?」
冷たい夜風に街路樹がざわざわ揺れた。
浩平は言い辛そうにしばらくもじもじしていたが、意を決したかきりっとした眼差しを彩子に向けた。
「はい。東京飲料の本社がある東京へ、僕と一緒に出張して戴きたいんです」
「え?」
彩子は吃驚した。
パート社員、しかも事務のオバサンが出張とはただ事ではない。
「以前柴崎さんが話されていたヘッドセットを、本社に掛け合って実現したいんです」
それは何かの折、彩子が新入社員の浩平にぽろっと洩らしたことだった。
つづく…
皆様から頂くが小説を書く原動力です
『紅殻格子メディア掲載作品&携帯小説配信サイト』紹介
にほんブログ村 恋愛小説(愛欲) FC2官能小説 人気ブログランキング~愛と性~