『パート妻の純情』(十一)
『パート妻の純情』(十一)
「妄想の囲炉裏端」紅殻格子の呟き入口
FC2 R18官能小説
夜九時。
浩平のミスで消去された注文データは、彩子達の残業によってほぼ復元された。
「お疲れ様でした」
蛍光灯が煌々と眩しい夜のオフィスに、コンビニの大きな袋を手にした浩平が戻ってきた。
ビールとおつまみを机の上に並べた浩平は、十数名のパート社員達に声をかけた。
「ささやかなお礼しかできませんが」
薄情な上司二人はいつも通り定時で退社していた。
自腹でビールを買ってきた浩平に、パート社員達は大きな拍手を贈った。
若い女性達は仕事をやり遂げた達成感に酔い、浩平を取り囲んでキャンキャンとはしゃいだ。
彩子はそんな若者達の歓喜を横目に、ビールを飲みながら書類の片づけを始めた。
(若い女の子が羨ましい)
彩子だって茶髪娘達に負けないぐらい浩平にじゃれつきたかった。
だが十四歳も年上の人妻には、そんな想いを叶えることすらままならない。
悲しいことに、それは夫の国夫への貞操からではなく、中年おばさんと言う劣等感から近づけないのだった。
若い娘達は浩平とカラオケへ行く約束を取りつけたらしい。
(おばさんは去るのみ)
彩子は浩平と若い娘達の誘いを断り、オフィスを後にして、寒さが厳しくなった札幌の町へ歩き出した。
つづく…
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「お疲れ様でした」
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ビールとおつまみを机の上に並べた浩平は、十数名のパート社員達に声をかけた。
「ささやかなお礼しかできませんが」
薄情な上司二人はいつも通り定時で退社していた。
自腹でビールを買ってきた浩平に、パート社員達は大きな拍手を贈った。
若い女性達は仕事をやり遂げた達成感に酔い、浩平を取り囲んでキャンキャンとはしゃいだ。
彩子はそんな若者達の歓喜を横目に、ビールを飲みながら書類の片づけを始めた。
(若い女の子が羨ましい)
彩子だって茶髪娘達に負けないぐらい浩平にじゃれつきたかった。
だが十四歳も年上の人妻には、そんな想いを叶えることすらままならない。
悲しいことに、それは夫の国夫への貞操からではなく、中年おばさんと言う劣等感から近づけないのだった。
若い娘達は浩平とカラオケへ行く約束を取りつけたらしい。
(おばさんは去るのみ)
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