『パート妻の純情』(十)
『パート妻の純情』(十)
「妄想の囲炉裏端」紅殻格子の呟き入口
FC2 R18官能小説
涙目になってしょげ返っている浩平。
そんな姿が彩子の母性本能を掻き毟る。
(何とか浩平君を助けてあげたい)
放って置けない何かが浩平にはある。
冷静に考えれば、二人の上司が言うように、浩平が自分で何とか解決しなければならない問題だろう。
パート社員に相談すること自体、甘えていると言われても仕方ない。
(だけど・・)
彩子は薄々気がついている。
正社員とパート社員と言う関係以上の感情を、彩子自身が浩平に抱いている事実を。
彩子は周囲のパート社員達に呼びかけた。
「今日残業できる人はいる?」
通常パート社員に残業はない。
だが浩平が消してしまった午前中のデータを復元するには、残業してもう一度受注票から入力し直すしか方法はない。
勿論残業代は出ない。
「浅沼さんが困っているなら」
若い茶髪の娘が手を挙げた。
「私も浅沼さんのためなら残業してもいい」
マスカラ過多のパンダ娘が立ち上がった。
残業を希望するパート社員が十名を越えたところで、彩子は具体的な業務手順と役割分担を指示した。
「有難うございます」
浩平は彩子の手を押し頂くようにぎゅっと握った。
「私よりも若い子にお礼をいいなさい」
彩子は浩平をそうたしなめると、握られた手をそっと腰の後ろに隠した。
若い娘達一人一人に頭を下げる浩平を見ながら、彩子は握り締められた手の感触を秘かに噛み締めた。
つづく…
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(何とか浩平君を助けてあげたい)
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冷静に考えれば、二人の上司が言うように、浩平が自分で何とか解決しなければならない問題だろう。
パート社員に相談すること自体、甘えていると言われても仕方ない。
(だけど・・)
彩子は薄々気がついている。
正社員とパート社員と言う関係以上の感情を、彩子自身が浩平に抱いている事実を。
彩子は周囲のパート社員達に呼びかけた。
「今日残業できる人はいる?」
通常パート社員に残業はない。
だが浩平が消してしまった午前中のデータを復元するには、残業してもう一度受注票から入力し直すしか方法はない。
勿論残業代は出ない。
「浅沼さんが困っているなら」
若い茶髪の娘が手を挙げた。
「私も浅沼さんのためなら残業してもいい」
マスカラ過多のパンダ娘が立ち上がった。
残業を希望するパート社員が十名を越えたところで、彩子は具体的な業務手順と役割分担を指示した。
「有難うございます」
浩平は彩子の手を押し頂くようにぎゅっと握った。
「私よりも若い子にお礼をいいなさい」
彩子は浩平をそうたしなめると、握られた手をそっと腰の後ろに隠した。
若い娘達一人一人に頭を下げる浩平を見ながら、彩子は握り締められた手の感触を秘かに噛み締めた。
つづく…
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