心の闇⑤ 墓標(その3)…降矢木士朗
心の闇⑤ 墓標(その3) 降矢木士朗
島の夜は静かでした。
僅か100メートルしかないメインストリートには、あらゆる生活雑貨を売るよろず屋が店を開けていました。
島で唯一の商店だと言います。
よろず屋以外に通りを占拠しているのは数軒ある妖しいスナックです。
どうやら風俗目当ての客は、これらのスナックで女性を斡旋してもらうシステムのようです。
月絵が呆れた顔で話しかけてきました。
「先生、この島全体が風俗で生活しているみたいですね」
「うん、観光客を呼べるものなど島にはないからね。それなのにこれだけのホテルやスナックがあるんだから・・」
ウィキペディアで調べたところ、島の人口は300人ほどで、その多くが若年女性、しかもサービス業の従事者がほとんどだとあります。
おそらく近年増えている外国人女性はカウントされていないでしょうが、都市の歓楽街がミニチュア化されて、無理矢理自然溢れる漁村の島へ移転してきたような違和感がありました。
通りから細い路地が枝分かれして島中央の小高い山へと続いています。
私と月絵は一本の狭い路地を上ってみました。
すると山の中腹あたりに何棟ものアパートが現れたのです。
「これって全部女の子達の住まいなのかしら?」
部屋には明るいピンク色のカーテン、そして窓辺に花や縫いぐるみが置いてあります。
「そうだよ。ここが彼女達の住まいであるとともに仕事場でもあるんだ」
「仕事場?」
耳を澄ますと、男と女の会話や生々しい女の喘ぎ声が、静かな山間を伝って聞こえてきます。
月絵は驚いたようです。
「え、自分の部屋に客を入れるんですか?」
「ああ、ラブホテルなんか無い島だからね。コースによっては泊まらせることもあるそうだよ」
私はそう答えると、ピンク色のカーテンで仕切られた窓を見上げました。
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月絵が呆れた顔で話しかけてきました。
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「うん、観光客を呼べるものなど島にはないからね。それなのにこれだけのホテルやスナックがあるんだから・・」
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おそらく近年増えている外国人女性はカウントされていないでしょうが、都市の歓楽街がミニチュア化されて、無理矢理自然溢れる漁村の島へ移転してきたような違和感がありました。
通りから細い路地が枝分かれして島中央の小高い山へと続いています。
私と月絵は一本の狭い路地を上ってみました。
すると山の中腹あたりに何棟ものアパートが現れたのです。
「これって全部女の子達の住まいなのかしら?」
部屋には明るいピンク色のカーテン、そして窓辺に花や縫いぐるみが置いてあります。
「そうだよ。ここが彼女達の住まいであるとともに仕事場でもあるんだ」
「仕事場?」
耳を澄ますと、男と女の会話や生々しい女の喘ぎ声が、静かな山間を伝って聞こえてきます。
月絵は驚いたようです。
「え、自分の部屋に客を入れるんですか?」
「ああ、ラブホテルなんか無い島だからね。コースによっては泊まらせることもあるそうだよ」
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