『あやかしの肌』・・・第二十五章
『あやかしの肌』
第二十五章
ネット小説ランキング>【R18官能部門】>あやかしの肌
裸弁天は母だった。
そもそもは、母が小作人の若い青年を誘惑したことから始まった。
二人は夜な夜なお堂で秘めやかな情事を繰り返した。
すると通りすがりの旅人や、噂を聞いた村の男達が加わるようになり、裸弁天を祭る淫らな宴に変わっていったらしい。
当然その噂は父や親族の耳にも入った。
怒り狂った親族達は、一刻も早く母を追い出すように父へ迫った。
だが父は逡巡した。
不貞を働いたにもかかわらず、母への未練から赦そうとしたらしい。
結局、祖父が決断を下し、母から幼い子供を取り上げて東京へ追い返したのだった。
母と別れた父は腑抜けになった。
辰二の記憶でも、父はいつも鬱々と口数が少なく、自分の部屋に閉じ籠っていることが多かった。
今思えば、精神的に病んでいたからかもしれない。
そして辰二が出征してしまうと、父は山に分け入り自ら命を絶った。
盛吉はそこまで話すと、ふうっとため息をついた。
「だからな、美千代の色香なんか一時の迷いで・・お、おいタツ!」
かっと憤怒に顔を赤く上気させた辰二は、盛吉の足許に煙草の箱を投げつけ、竹の湯を飛び出した。
つづく・・・
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第二十五章
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裸弁天は母だった。
そもそもは、母が小作人の若い青年を誘惑したことから始まった。
二人は夜な夜なお堂で秘めやかな情事を繰り返した。
すると通りすがりの旅人や、噂を聞いた村の男達が加わるようになり、裸弁天を祭る淫らな宴に変わっていったらしい。
当然その噂は父や親族の耳にも入った。
怒り狂った親族達は、一刻も早く母を追い出すように父へ迫った。
だが父は逡巡した。
不貞を働いたにもかかわらず、母への未練から赦そうとしたらしい。
結局、祖父が決断を下し、母から幼い子供を取り上げて東京へ追い返したのだった。
母と別れた父は腑抜けになった。
辰二の記憶でも、父はいつも鬱々と口数が少なく、自分の部屋に閉じ籠っていることが多かった。
今思えば、精神的に病んでいたからかもしれない。
そして辰二が出征してしまうと、父は山に分け入り自ら命を絶った。
盛吉はそこまで話すと、ふうっとため息をついた。
「だからな、美千代の色香なんか一時の迷いで・・お、おいタツ!」
かっと憤怒に顔を赤く上気させた辰二は、盛吉の足許に煙草の箱を投げつけ、竹の湯を飛び出した。
つづく・・・











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