『遠距離夫婦』・・・第二十二章
『遠距離夫婦』
※心も体も冷え切ってしまった夫婦。
そんな結婚生活にピリオドを打てとばかりに、夫は会社の転勤で単身赴任生活へ。
愛人か妻か・・・ぽっかりと夫の心に空いた隙間を埋めるのは?
第二十二章
檜の板塀越しに女湯の湯音が聞こえる。
(清美・・)
和久は清美が突然訪れてきた理由を再び考え始めた。
精神的にも肉体的にも清美は和久を必要としていなかった。
いくら子離れで時間ができたとしても、和久に会いに来るよりも、家でのんびり寛ぐか、浮気相手とたっぷり愛し合う方がいいはずだ。
ところが清美は会津に来た。
しかも聖母ではなく、若かりし昔のように嫉妬する女となって現れたのだ。
和久は頭を抱えた。
いくら温泉の湯でも、不可解な清美への疑心は洗い流すことができなかった。
夜は会津へ戻り、和久は接待に使う割烹へ清美を連れて行った。
食べ慣れない高級和食に恐縮したのか、普段飲まない清美がこの夜はかなり酒量を重ねた。
「大丈夫か?」
「もう酔っ払っちゃったわ」
和久は時計を見た。九時を回っている。
「今からホテルでも予約しようか?」
「え、どうして?」
「いや、部屋には布団が一組しかないから」
「平気よ・・夫婦じゃない・・」
アパートへ向かう帰り道、千鳥足気味の清美は珍しく和久の腕にすがりついてきた。
きれいに掃除された部屋はがらんとして広く感じられた。
その中央にぽつんと布団が敷かれている。
パジャマに着替えた和久は、まるで初体験の時のように、布団に入ってもおどおどして落ち着かなかった。
つづく・・・
『妄想の囲炉裏端・・・紅殻格子呟き日記』
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(清美・・)
和久は清美が突然訪れてきた理由を再び考え始めた。
精神的にも肉体的にも清美は和久を必要としていなかった。
いくら子離れで時間ができたとしても、和久に会いに来るよりも、家でのんびり寛ぐか、浮気相手とたっぷり愛し合う方がいいはずだ。
ところが清美は会津に来た。
しかも聖母ではなく、若かりし昔のように嫉妬する女となって現れたのだ。
和久は頭を抱えた。
いくら温泉の湯でも、不可解な清美への疑心は洗い流すことができなかった。
夜は会津へ戻り、和久は接待に使う割烹へ清美を連れて行った。
食べ慣れない高級和食に恐縮したのか、普段飲まない清美がこの夜はかなり酒量を重ねた。
「大丈夫か?」
「もう酔っ払っちゃったわ」
和久は時計を見た。九時を回っている。
「今からホテルでも予約しようか?」
「え、どうして?」
「いや、部屋には布団が一組しかないから」
「平気よ・・夫婦じゃない・・」
アパートへ向かう帰り道、千鳥足気味の清美は珍しく和久の腕にすがりついてきた。
きれいに掃除された部屋はがらんとして広く感じられた。
その中央にぽつんと布団が敷かれている。
パジャマに着替えた和久は、まるで初体験の時のように、布団に入ってもおどおどして落ち着かなかった。
つづく・・・
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