『人妻捕獲倶楽部』・・・(最終章)
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『人妻捕獲倶楽部』
三十二
しばらく圭祐は、宏美が出て行った寝室の扉を意味もなく眺めていた。
(俺を憐れんでいるのか)
宏美が投げかけた小さな笑みは、決して愛情ではなく、圭祐を詰る侮蔑が込められていた。
しかもそれは、圭祐の失態に向けられているのではなく、宏美の体を求めたこと自体への嘲りだった。
「私は留美夫の女。彼以外に私の体を満たせる男はいないの。十四年間家政婦としてしか扱わなかったのに、今更私を抱こうとするなんて身のほど知らずもいいとこよ」
留美は冷笑の裏でそう罵っていたに違いない。
はっと圭祐は気がついた。
(俺は宏美に男として扱われていなかったと言うことか)
圭祐は愕然とした。
かつて圭祐は、宏美の女を良妻賢母の美名の許に封じ込め、外の人妻を捕獲して性欲を満たしてきた。
今、そのしっぺ返しを受けているのだ。
生活費と養育費を稼ぐ良夫賢父としてしか、宏美は圭祐に存在価値を求めていないのだ。
性欲を満たす男は外、つまり若い留美夫と決めているに違いない。
(ふ、似たもの夫婦か・・)
圭祐は自虐的に笑うと、深いため息をついた。
階下からシャワーの音が微かに聞こえてきた。
圭祐はベッドで横になると、虚ろな目で暗い常夜灯をしばらく眺めていた。
――閉幕――
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