『真夜中のセールストーク』 第八章・・・(紅殻格子)
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『真夜中のセールストーク』
8・
自宅へ向けて車を運転する美帆の胸中に、意地悪い片倉の言葉が繰り返し去来した。
(降格・・)
(女の武器で落とせ)
順風満帆なキャリアを重ねる美帆が、初めてぶち当たる仕事の壁だった。
コスモ製薬の女性MRの媚態が脳裏に浮かんでは消えた。
赤信号に気づいて美帆は慌てて車を停めた。
ほっと安堵に胸を撫で下ろすと同時に、美帆は張りつめていた気が弛んでいくのを感じた。
(もう堪えられない・・)
言葉にならない苦痛が心を突いた。
フロントガラスに映る丸い赤信号が、美帆には涙でゆらゆらと滲んで見えた。
美帆の帰宅は十一時を過ぎていた。
支社のある横浜駅から、車で三十分ほど離れた郊外のマンションである。
美帆はリビングの扉を開けた。
「ただいま」
「おう、お帰り」
ソファに寝転がってテレビを観ていた結城健嗣が、むくっと上半身を起こした。テーブルの上には、ポテトチップの空き袋と発泡酒が散らかっている。
「遅くなってごめんなさい。もうご飯は食べた?」
「いや、まだだよ」
「そう、じゃあ今からつくるわ」
美帆は着替えもそこそこに、冷蔵庫の冷凍食品を探した。
夫の健嗣は美帆より三つ年下で、三年前結婚した時には、まだ二十四歳の若さだった。
医薬品卸に勤めていた健嗣は、ジャニーズ系の顔負けの男ぶりで、群がる女性MRが後を絶たなかった。
美帆は苦難の末、ライバル達を蹴落として健嗣を掌中に収めたのだった。
美帆はチャーハンを炒めながら、テレビから離れない健嗣に尋ねた。
「ねえ、お風呂は入ったの?」
「いや、面倒臭いから沸かしていない」
「・・そうなの」
フライパンを振る腕が鉛のように重かった。美帆は炒飯を皿に盛りつけると、急いで風呂場で浴槽を洗い始めた。
(遅くまで働いているんだから、もう少し思い遣りがあってもいいじゃない・・)
美帆は浴槽を擦りながら、甘えたい気持ちを懸命に抑えた。
つづく・・・
・・・・・・ お知らせ ・・・・・
『色褪せぬ薔薇』携帯小説サイトにて配信中です。
『色褪せぬ薔薇』 作品紹介・・・・(電子書籍「遊スタ」より引用)
※ 来年60歳になる秀明は住宅用建材メーカーの重役で、25年前は仙台支社にて営業をしていた。単身赴任で仙台にやってきた秀明は、やがて同僚の葉子と社内不倫の関係を持つようになり、夜毎、互いに体を貪り合い、熱い情事を繰り返した。 だが、秀明が東京の本社へと戻ったことをきっかけに、ふたりは別れ離れになってしまう。 久しぶりに、仙台を訪れた秀明は、彼女に会うことにするが、そこで部下から知らされた葉子の衝撃的な事実とは?
愛に包まれた感動のエピローグに乞うご期待!※
『閲覧方法』
♪NEW♪
「色褪せぬ薔薇」新たな携帯電子書店▼禁断愛▲ ヒミツ文庫でも配信になりました。
▼禁断愛▲ ヒミツ文庫こちらの電子書店は、女が感じる官能エロス満載です。
「色褪せぬ薔薇」 只今、トップ記事にて掲載されています(*^_^*)
「どこでも読書」
「どこでも読書」TOP上段にあります総合検索にて「小説」→ジャンル「ハードロマン」↓「色褪せぬ薔薇」と検索いただくか?もしくは著者名にて「降矢木士朗」(ふりやぎしろう)と検索いただければご覧頂けます。
電子書籍「遊スタ」←携帯電話でご覧頂いている方は、そのままクリックでお入りいだだけます。
パソコンでご覧頂いている方には、大変、申し訳ありませんが電子書籍「遊スタ」は携帯電話からでないと入れません。
お手数ですが携帯電話にて「遊スタ」→カテゴリ「官能小説」→「色褪せぬ薔薇」と検索してください。
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