『真夜中のセールストーク』 第五章・・・(紅殻格子)
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『真夜中のセールストーク』
五。
その時、一人の女が金原と美帆の間に割って入ってきた。
コスモ製薬の女性MRだった。
「金原先生、今夜のお店の地図を持ってきました」
まだ二十代半ばの彼女は、美帆に遠慮もなく、金原の隣に座って体をすり寄せた。
男の独壇場だったMRは、美帆もその一人だが、女性が多く進出するようになった。
女性の方が真面目で物腰も柔らかく、医薬品の情報提供には優れているからだ。
だがセクハラが新聞沙汰になったように、女性MRの営業はどこか性の匂いがつきまとう。
キャバクラ女のように、香水をプンプン振り撒くコスモ製薬の女性MRが金原にしな垂れかかった。
「そうか、今夜はコスモさんの勉強会が入っていたんだね」
表向きは勉強会と称しているが、料亭で勉強などするはずもなく、実際には飲食接待に他ならない。
「うふ、宜しくご出席下さい。いつものところで二次会も準備していますから」
「・・ん、そうか、いつもの二次会・・か」
金原はにんまりと頷きながら、女性MRの胸元へ視線を送った。
わざと胸の谷間が見えるように、女性MRはブラウスのボタンを外していた。
美帆は二人のやり取りを見ながら、この病院の薬剤師から聞いた噂を思い出した。
それはコスモ製薬の薬が最近急に増えだしたことだった。
「副院長は金と女に弱いからね」
薬剤師は、コスモ製薬が体で処方を増やしていると教えてくれた。
その時はありえないと笑った美帆だったが、二人の会話を聞いていると強ち嘘だとも思えなかった。
コスモ製薬の女性MRは、艶っぽい笑みを口唇に湛えて金原の膝に手を置いた。
「じゃ先生、また夜にお会いましょう」
そう言うと、ヒップを必要以上にくねらせて、コスモ製薬の女性MRは医局を出て行った。
金原はだらりと鼻の下を伸ばして、名残惜しそうに豊満なヒップを見送った。
美帆の視線に気づいた金原はコホンと咳払いした。そして再び気難しい顔になると、美帆に向かって意味ありげに呟いた。
「リピレスを採用して欲しいなら、今度ゆっくり薬の説明をしに私の部屋へ来なさい。コスモ製薬さんぐらい熱心なら、採用しないわけでもないよ」
にやりと薄気味悪い笑顔を美帆に投げかけると、金原は医局を出て行った。
背筋がぞっとするのを美帆は覚えた。
(いやらしい男・・私は絶対に色仕掛けでなんか仕事はしないわよ!)
美帆は持っていたリピレスのパンフレットを、くしゃくしゃに丸めてゴミ箱へ放り込んだ。
「ゆ、結城さん・・」
激しい美帆の剣幕に、荻原は将棋の駒を指に挟んだまま、青ざめた顔をヒクヒクと痙攣させていた。
「あ、忘れていました。ごめんなさい、荻原先生」
「いえ、待たされるのは慣れていますから」
そう言うと、荻原は頬を引き攣らせて小さく笑った。
つづく・・・
・・・・・・ お知らせ ・・・・・
『色褪せぬ薔薇』携帯小説サイトにて配信中です。
『色褪せぬ薔薇』 作品紹介・・・・(電子書籍「遊スタ」より引用)
※ 来年60歳になる秀明は住宅用建材メーカーの重役で、25年前は仙台支社にて営業をしていた。単身赴任で仙台にやってきた秀明は、やがて同僚の葉子と社内不倫の関係を持つようになり、夜毎、互いに体を貪り合い、熱い情事を繰り返した。 だが、秀明が東京の本社へと戻ったことをきっかけに、ふたりは別れ離れになってしまう。 久しぶりに、仙台を訪れた秀明は、彼女に会うことにするが、そこで部下から知らされた葉子の衝撃的な事実とは?
愛に包まれた感動のエピローグに乞うご期待!※
『閲覧方法』
♪NEW♪
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(いやらしい男・・私は絶対に色仕掛けでなんか仕事はしないわよ!)
美帆は持っていたリピレスのパンフレットを、くしゃくしゃに丸めてゴミ箱へ放り込んだ。
「ゆ、結城さん・・」
激しい美帆の剣幕に、荻原は将棋の駒を指に挟んだまま、青ざめた顔をヒクヒクと痙攣させていた。
「あ、忘れていました。ごめんなさい、荻原先生」
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そう言うと、荻原は頬を引き攣らせて小さく笑った。
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