「肉形見」第三章・・・(紅殻格子)
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「肉形見」
三.
父の泰治は今年で六十五歳になる。
農家に生まれ育った泰治は畑仕事で鍛えた頑丈な体を、
常日頃から医者要らずと自慢していた。
ただ昨年腰を痛めて以来、思うように体が動かせなくなり、
すっかり老け込んでしまったらしい。
農閑期のこの季節、泰治は日中寝てばかりいると母の絹江はこぼしていた。
しかしそんな泰治が本格的に寝込んでしまったと、
絹江から心細そうな声で電話を受けると、武彦も実家に帰らざるを得なかった。
辺りがすっかり夕暮れに染まる頃、武彦はやっと湯女川駅に到着した。
所々雪が残るホームの先には、木造の煤けた駅舎がぽつんと建っている。
(ここに帰るのは二年ぶりか・・・)
まだ武彦は自由な独身の身だが、
湯女川は土日で気軽に帰れる距離ではないし、
ゴールデンウィークやお盆休みはどうしても旅行や趣味に追われてしまう。
今回有給休暇を取ってまで早めの正月の帰省をしたのは、
両親に無沙汰をしている疚しさを晴らす意味もあった。
武彦は車掌に切符を渡して無人の改札を出た。
湯女川は駅前に温泉旅館が三軒並ぶだけの小さな湯治場である。
武彦の他に乗降客はなく、黄昏時の湯女川はさびれてうら悲しく見えた。
駅舎を出た武彦は周囲を見渡した。
「武彦さん」
武彦はぽつんと一台だけ停まっている車から現れた女性に声をかけられた。
つづく・・・
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父の泰治は今年で六十五歳になる。
農家に生まれ育った泰治は畑仕事で鍛えた頑丈な体を、
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ただ昨年腰を痛めて以来、思うように体が動かせなくなり、
すっかり老け込んでしまったらしい。
農閑期のこの季節、泰治は日中寝てばかりいると母の絹江はこぼしていた。
しかしそんな泰治が本格的に寝込んでしまったと、
絹江から心細そうな声で電話を受けると、武彦も実家に帰らざるを得なかった。
辺りがすっかり夕暮れに染まる頃、武彦はやっと湯女川駅に到着した。
所々雪が残るホームの先には、木造の煤けた駅舎がぽつんと建っている。
(ここに帰るのは二年ぶりか・・・)
まだ武彦は自由な独身の身だが、
湯女川は土日で気軽に帰れる距離ではないし、
ゴールデンウィークやお盆休みはどうしても旅行や趣味に追われてしまう。
今回有給休暇を取ってまで早めの正月の帰省をしたのは、
両親に無沙汰をしている疚しさを晴らす意味もあった。
武彦は車掌に切符を渡して無人の改札を出た。
湯女川は駅前に温泉旅館が三軒並ぶだけの小さな湯治場である。
武彦の他に乗降客はなく、黄昏時の湯女川はさびれてうら悲しく見えた。
駅舎を出た武彦は周囲を見渡した。
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武彦はぽつんと一台だけ停まっている車から現れた女性に声をかけられた。
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