「それってセクハラ?」第二十一章・・・(紅殻格子)
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「それってセクハラ?」
二十一
ヴィーナス化粧品本社人事部。
健太はフロアの奥にある会議室のドアをノックした。
「池添さんをお連れしました」
「入りなさい」
冷たい葉月の声が中から聞こえた。
会議室の中央にはテーブルが置かれ、
正面に霧山人事部長と葉月が並んで座っている。
「そこに掛けなさい」
まるで裁判官が被告に命ずるように、
葉月は健太と典子に対面の席を指差した。
典子を抱いた夜から一週間が経っていた。
井沢の名前を聞き出した健太は、典子を抱いたことは伏せたまま、
その夜のうちに葉月へ一報を入れた。
珍しく健太を褒めた葉月は、早速井沢の身辺調査に乗り出した。
だがその結果については押し黙ったままで、
今日急に典子を呼び出すように命じられたのだった。
昼行灯でぼんやりする霧山を尻目に、葉月は大声で典子を指差して大喝した。
「女子更衣室を盗撮した目的は何なの?」
その大声に典子はびくっと肩をすくめた。
健太は慌てて立ち上がり、葉月と典子の間に割って入った。
「な、何を言っているんですか、如月課長。説明したじゃないですか。
池添さんは被害者ですよ。井沢部長のセクハラで、
心ならずも盗撮をさせられていたんです」
健太の熱弁を無視して、
葉月は分厚いコピー用紙の束を典子の前に投げつけた。
「そこの純真坊やは騙せても、私の目は誤魔化せないわよ」
「ひ、酷いわ・・矢島さん、助けて・・」
涙で声を詰まらせた典子は、椅子から立ち上がると健太の背中へ隠れた。
恋人同士のような二人の姿が、ますます葉月の怒りに油を注ぐ。
「キィ~、イチャイチャするんじゃないわよ。その資料をご覧なさい。
あなたが井沢へ出したメールを打ち出したものよ」
「そ、そんなものが・・」
典子は健太を突き飛ばすと、慌ててコピー用紙の束を捲り始めた。
「全て井沢が吐いたわ」
葉月はうろたえる典子に溜飲を下げ、誇らしげに事件の顛末を説明し始めた。
確かに井沢と典子の間には体の関係があった。
だがそれは健太が想像したのとは逆で、
典子の方から井沢を誘ったのが真実だった。
典子は自ら不倫現場をビデオカメラで隠し撮りし、
その証拠を盾に、セクハラを受けたと井沢を脅していたのだ。
つづく・・・
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健太はフロアの奥にある会議室のドアをノックした。
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「入りなさい」
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会議室の中央にはテーブルが置かれ、
正面に霧山人事部長と葉月が並んで座っている。
「そこに掛けなさい」
まるで裁判官が被告に命ずるように、
葉月は健太と典子に対面の席を指差した。
典子を抱いた夜から一週間が経っていた。
井沢の名前を聞き出した健太は、典子を抱いたことは伏せたまま、
その夜のうちに葉月へ一報を入れた。
珍しく健太を褒めた葉月は、早速井沢の身辺調査に乗り出した。
だがその結果については押し黙ったままで、
今日急に典子を呼び出すように命じられたのだった。
昼行灯でぼんやりする霧山を尻目に、葉月は大声で典子を指差して大喝した。
「女子更衣室を盗撮した目的は何なの?」
その大声に典子はびくっと肩をすくめた。
健太は慌てて立ち上がり、葉月と典子の間に割って入った。
「な、何を言っているんですか、如月課長。説明したじゃないですか。
池添さんは被害者ですよ。井沢部長のセクハラで、
心ならずも盗撮をさせられていたんです」
健太の熱弁を無視して、
葉月は分厚いコピー用紙の束を典子の前に投げつけた。
「そこの純真坊やは騙せても、私の目は誤魔化せないわよ」
「ひ、酷いわ・・矢島さん、助けて・・」
涙で声を詰まらせた典子は、椅子から立ち上がると健太の背中へ隠れた。
恋人同士のような二人の姿が、ますます葉月の怒りに油を注ぐ。
「キィ~、イチャイチャするんじゃないわよ。その資料をご覧なさい。
あなたが井沢へ出したメールを打ち出したものよ」
「そ、そんなものが・・」
典子は健太を突き飛ばすと、慌ててコピー用紙の束を捲り始めた。
「全て井沢が吐いたわ」
葉月はうろたえる典子に溜飲を下げ、誇らしげに事件の顛末を説明し始めた。
確かに井沢と典子の間には体の関係があった。
だがそれは健太が想像したのとは逆で、
典子の方から井沢を誘ったのが真実だった。
典子は自ら不倫現場をビデオカメラで隠し撮りし、
その証拠を盾に、セクハラを受けたと井沢を脅していたのだ。
つづく・・・
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