「禁断の遺伝子」第九章・・・(紅殻格子)
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『禁断の遺伝子』・・・・紅殻格子
九・
女の好色ぶりも並ではなかった。
悦びに口を大きく開いて喘ぎ、淫らな肢体を執拗に男へ絡ませている。
男に組み敷かれた女の表情は、艶かしいばかりの美しさを放散していた。
「いい女だなあ・・おや?」
周一は女の顔に見入った。どこか月絵に似ている。
そう言えば、仏間に飾られている遺影の静子に面影がある。
写真を撮った和室も、先ほど夕食をとった母屋にそっくりだった。
そしてこの現像機材。どうやらこれらの写真は、
孝蔵と静子の秘蔵プライベート写真に違いなかった。
周一は唸った。
現代のようにデジカメが普及してから、
妻との閨房を撮影する好事家が増えたらしい。
しかしデジカメもない時代、
現像機材を自宅に構えてまで写真を撮るからには、
かなり好色な夫婦だったと想像せざるを得ない。
夫婦の熱情に感心しながらも、周一は写真の男を見てふと違和感を覚えた。
「しかし・・えっ、まさか・・」
男は明らかに孝蔵ではなかった。孝蔵と静子は十三年が離れている。
静子の熟肉が三十代後半だとすれば、孝蔵は五十歳近い年齢になる。
だが写真の男は、どう見ても静子と同い年ぐらいに見えた。
しかもカメラは固定撮影ではなく、
静子と男が交わっているのを明らかに第三者が写している。
「3P・・か?」
周一が唖然として写真を眺めていると、不意に蔵の入り口が開いた。
鴻巣だった。
「それは私だ」
続く・・・
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『禁断の遺伝子』・・・・紅殻格子
九・
女の好色ぶりも並ではなかった。
悦びに口を大きく開いて喘ぎ、淫らな肢体を執拗に男へ絡ませている。
男に組み敷かれた女の表情は、艶かしいばかりの美しさを放散していた。
「いい女だなあ・・おや?」
周一は女の顔に見入った。どこか月絵に似ている。
そう言えば、仏間に飾られている遺影の静子に面影がある。
写真を撮った和室も、先ほど夕食をとった母屋にそっくりだった。
そしてこの現像機材。どうやらこれらの写真は、
孝蔵と静子の秘蔵プライベート写真に違いなかった。
周一は唸った。
現代のようにデジカメが普及してから、
妻との閨房を撮影する好事家が増えたらしい。
しかしデジカメもない時代、
現像機材を自宅に構えてまで写真を撮るからには、
かなり好色な夫婦だったと想像せざるを得ない。
夫婦の熱情に感心しながらも、周一は写真の男を見てふと違和感を覚えた。
「しかし・・えっ、まさか・・」
男は明らかに孝蔵ではなかった。孝蔵と静子は十三年が離れている。
静子の熟肉が三十代後半だとすれば、孝蔵は五十歳近い年齢になる。
だが写真の男は、どう見ても静子と同い年ぐらいに見えた。
しかもカメラは固定撮影ではなく、
静子と男が交わっているのを明らかに第三者が写している。
「3P・・か?」
周一が唖然として写真を眺めていると、不意に蔵の入り口が開いた。
鴻巣だった。
「それは私だ」
続く・・・