小説 「夜香木」 第十二章・・・
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「夜香木」 紅殻格子
十二
勿論和夫は口姦を風俗で体験したことはあったが、貞淑で性に淡白な妻に、それを求めるのは結婚当初から諦めていた。
むしろ理想の妻であり母であって欲しかった美佐江には、そんな下品ではしたない行為を強要したくなかったのかもしれない。
その美佐江が夫を裏切り、他人の性器を口にしているのである。
美佐江は陶酔した表情で、少年の巨茎を頬張っている。
少年の肉茎の鼓動に美佐江の体も反応したのか、もじもじと太股を摺り合わせ始めた。
「き、気持ちいい・・・もう・・・出ちゃう」
少年は上体を反らして、眉間に皺を寄せている。
美佐江は鼻息を荒げて、しきりに指先で暴発寸前の肉茎をしごいた。
「お、奥さん」
少年は短く叫ぶと背を丸めて、両脚をガクガクと震わせながら射精した。
口を離そうとしたが間に合わず、濃い少年の精液が美佐江の顔に飛び散った。
「ああ・・・ごめんなさい」
「いいのよ・・・でも若いからかしら、とっても熱いわ・・・それに」
と言って顔についた糊のような白濁液を、指先で掬うと口へ運んだ。
「うふ、私、男の人のを舐めるのって初めてだけど、変わった味がするのね」
「奥さん」
つづく・・・