『人外境の花嫁』十.暗黒の救済者(三)
『人外境の花嫁』
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十.暗黒の救済者 (三)
突然始まった乱入者の淫行に、大聖天堂の幹部達もあんぐりと口を開けている。
助けに来たのではなかったのか?
いや、途中までは月絵と畠山を心配して箕面谷まで来たに違いない。
ところがこの大乱交儀式を目の当たりにして、すっかり当初の目的を忘れてしまったのかもしれない。
本性が好き者なのだ。
いくら緊迫した事態であっても、目の前に女の裸が現れれば、そちらに気を取られて埋没するのが降矢木だった。
若い女の乳房を揉みながら、降矢木はその隣で両脚を開いたまま固まっている熟女の股間を覗き込んだ。
「ふんふん、これはぷっくりして美味しそうな女盛りの陰部だね。ほら、淫液が溢れんばかりに滴って、男性器を引き込もうとヒクヒク蠢いているじゃないか」
降矢木は大聖天堂の独裁者になったつもりか、マネキンのように動かない女達の裸身を楽しそうに観察していく。
月絵はこめかみのあたりがヒクヒクと痙攣するのを感じた。
(このエロボケ親爺が・・)
福富町のストリップ劇場で、鼻の下を伸ばす降矢木を拳骨で叩いた痛みが蘇ってきた。
(どうして・・ねえ、どうして私だけを見てくれないの?)
大麻に神経を侵されているのか、月絵は降矢木への熱い想いを呪詛のように唱えた。
(好きなのに・・こんなに好きなのに・・)
だが降矢木は、色気のない小娘に興味を抱いてなどくれない。
色街の女達に現をぬかして月絵を見つめてはくれないのだ。
(家庭教師をしてくれた時の優しさは嘘だったの?)
降矢木の心がつかめない月絵は、いつまでも中途半端な不安に心を揺らすことしかできなかった。
つづく…
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紅殻格子の日記は「黄昏時、西の紅色空に浮かぶ三日月」に記載しています。
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突然始まった乱入者の淫行に、大聖天堂の幹部達もあんぐりと口を開けている。
助けに来たのではなかったのか?
いや、途中までは月絵と畠山を心配して箕面谷まで来たに違いない。
ところがこの大乱交儀式を目の当たりにして、すっかり当初の目的を忘れてしまったのかもしれない。
本性が好き者なのだ。
いくら緊迫した事態であっても、目の前に女の裸が現れれば、そちらに気を取られて埋没するのが降矢木だった。
若い女の乳房を揉みながら、降矢木はその隣で両脚を開いたまま固まっている熟女の股間を覗き込んだ。
「ふんふん、これはぷっくりして美味しそうな女盛りの陰部だね。ほら、淫液が溢れんばかりに滴って、男性器を引き込もうとヒクヒク蠢いているじゃないか」
降矢木は大聖天堂の独裁者になったつもりか、マネキンのように動かない女達の裸身を楽しそうに観察していく。
月絵はこめかみのあたりがヒクヒクと痙攣するのを感じた。
(このエロボケ親爺が・・)
福富町のストリップ劇場で、鼻の下を伸ばす降矢木を拳骨で叩いた痛みが蘇ってきた。
(どうして・・ねえ、どうして私だけを見てくれないの?)
大麻に神経を侵されているのか、月絵は降矢木への熱い想いを呪詛のように唱えた。
(好きなのに・・こんなに好きなのに・・)
だが降矢木は、色気のない小娘に興味を抱いてなどくれない。
色街の女達に現をぬかして月絵を見つめてはくれないのだ。
(家庭教師をしてくれた時の優しさは嘘だったの?)
降矢木の心がつかめない月絵は、いつまでも中途半端な不安に心を揺らすことしかできなかった。
つづく…
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