『人外境の花嫁』六.伏魔殿の監禁者(八)
『人外境の花嫁』
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六.伏魔殿の監禁者 (八)
麻美は心臓の鼓動を感じた。
「アヤタチは私とどんな関係があるの?」
「それはまだ申し上げられません。何故なら天神会の運命がかかっているからです。もし麻美様が天神会に入信頂けなければ・・」
温和な支部長の表情が険しくなった。
「ど、どうなるのよ?」
「我々の秘密を知った以上は、ここから生きては戻れません」
「・・それじゃ、私には天神会に入るしか選択肢はないってこと?」
「ですから運命だと申し上げているのです。麻美様と我々は運命共同体なのです」
支部長はそう答えて麻美を見つめた。
表向きは慈善団体の天神会だが、裏ではただならぬ暗部を抱えているようだった。
無益な金を集める仕組みと言った。
無益な金。
先ほど支部長が語った集金システムが麻美の脳裏を過った。
この建物もそうだが、全国で大規模な炊き出しをするにも、相当な資金力がなければならない。
麻美には想像がつかなかった。
「一体天神会の秘密って・・?」
「今夜、ここ横浜支部で、六階位の人間が七階位に昇格する儀式があります。秘密を共有する上級階位への入会式です。麻美様にもその儀式に参加して頂きます」
支部長の言葉に麻美は頷いた。どうせ拉致された身である。
生きて帰れないのなら、とことんまで天神会の秘密を暴くほかないだろう。
そしてアヤタチの正体も。
麻美は支部長に促されて、五階へ向かうエレベーターに乗った。
つづく…
皆様から頂くが小説を書く原動力です
人気ブログランキング~愛と性~
紅殻格子の日記は「黄昏時、西の紅色空に浮かぶ三日月」に記載しています。
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麻美は心臓の鼓動を感じた。
「アヤタチは私とどんな関係があるの?」
「それはまだ申し上げられません。何故なら天神会の運命がかかっているからです。もし麻美様が天神会に入信頂けなければ・・」
温和な支部長の表情が険しくなった。
「ど、どうなるのよ?」
「我々の秘密を知った以上は、ここから生きては戻れません」
「・・それじゃ、私には天神会に入るしか選択肢はないってこと?」
「ですから運命だと申し上げているのです。麻美様と我々は運命共同体なのです」
支部長はそう答えて麻美を見つめた。
表向きは慈善団体の天神会だが、裏ではただならぬ暗部を抱えているようだった。
無益な金を集める仕組みと言った。
無益な金。
先ほど支部長が語った集金システムが麻美の脳裏を過った。
この建物もそうだが、全国で大規模な炊き出しをするにも、相当な資金力がなければならない。
麻美には想像がつかなかった。
「一体天神会の秘密って・・?」
「今夜、ここ横浜支部で、六階位の人間が七階位に昇格する儀式があります。秘密を共有する上級階位への入会式です。麻美様にもその儀式に参加して頂きます」
支部長の言葉に麻美は頷いた。どうせ拉致された身である。
生きて帰れないのなら、とことんまで天神会の秘密を暴くほかないだろう。
そしてアヤタチの正体も。
麻美は支部長に促されて、五階へ向かうエレベーターに乗った。
つづく…
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