『人外境の花嫁』四.黄昏時の掠奪者(十五)
『人外境の花嫁』
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四.黄昏時の掠奪者 (十五)
玄関のドアを開けると、宅急便屋のユニフォーム姿をした二人の男が、大きなダンボール箱を抱えて立っていた。
「あら、御苦労さま」
大画面の液晶テレビでも入っていそうな段ボール箱が、二人掛かりで玄関の中へ運び込まれた。
「誰からかしら?」
貼られた伝票の送り主を見ようとして、麻美がダンボール箱に手を置くと、意外にもそれは僅かな力で軽く傾いた。
「空箱?」
「はい、麻美様にお入り頂く箱です」
猿のような顔をした小柄な男がにやりと笑うと、目にも止まらぬ動きで麻美の背後へ回った。
「うぐっ」
背後から口を白い布で塞がれた麻美は、強烈な薬品臭にむせそうになった。
「麻美様、手荒な真似をして申し訳ございません。アヤタチ様のご命令ですのでお許し下さい」
意識が朦朧とする中、麻美は猿顔の男がそう語るのを耳にした。
「な、なに・・?」
崩れ落ちていく体を二人の男に抱えられた麻美は、体と脚を持ち上げられてダンボール箱の中へ押し込められた。
光が閉ざされる。
どうやら箱に押し込められたまま、外へ運び出されているらしい。
麻美は微かな揺れを感じながら、急速に意識を失っていった。
つづく…
皆様から頂くが小説を書く原動力です
人気ブログランキング~愛と性~
紅殻格子の日記は「黄昏時、西の紅色空に浮かぶ三日月」に記載しています。
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「誰からかしら?」
貼られた伝票の送り主を見ようとして、麻美がダンボール箱に手を置くと、意外にもそれは僅かな力で軽く傾いた。
「空箱?」
「はい、麻美様にお入り頂く箱です」
猿のような顔をした小柄な男がにやりと笑うと、目にも止まらぬ動きで麻美の背後へ回った。
「うぐっ」
背後から口を白い布で塞がれた麻美は、強烈な薬品臭にむせそうになった。
「麻美様、手荒な真似をして申し訳ございません。アヤタチ様のご命令ですのでお許し下さい」
意識が朦朧とする中、麻美は猿顔の男がそう語るのを耳にした。
「な、なに・・?」
崩れ落ちていく体を二人の男に抱えられた麻美は、体と脚を持ち上げられてダンボール箱の中へ押し込められた。
光が閉ざされる。
どうやら箱に押し込められたまま、外へ運び出されているらしい。
麻美は微かな揺れを感じながら、急速に意識を失っていった。
つづく…
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