『人外境の花嫁』一.異界の漂泊民(九)
『人外境の花嫁』
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一.異界の漂泊民 (九)
どきっとして寛三は目を反らした。
「い、いや・・いいんだよ。どうせ客もいないから・・そうだ、お嬢ちゃんもやってみるかい?」
まだ乳房とも呼べぬ膨らみに惑わされた寛三は、その羞恥を誤魔化すように、慌てて少女にヨーヨー釣り紐を渡した。
少女は原色の玩具に目を輝かせた。
「でも・・」
「さあ、姉弟でどっちが先に釣れるかな?」
寛三が煽ると、弟を叱ったはずの少女は水槽の前にかぶりついた。
一瞬、寛三は目を疑った。
「えっ?」
真剣にヨーヨーを睨んだ少女が、丁半の壺振りさながらに、ばっと上半身もろ肌脱いだのだった。
褐色に日焼けした裸身が、アセチレンランプの下で露になった。
おそらく袖が邪魔になるからだろうか、少女は周囲の目など気にせず、半裸のまま釣り紐を持ってヨーヨーを狙った。
「あっ、くやしいっ!」
W型の金具がヨーヨーのゴム輪をかすめるたびに、少女は大きな声を上げて地団駄を踏んだ。
まだ膨らみかけの青い乳房が、寛三の目の前でぷるぷると上下に踊る。
寛三はぽかんと口を開けたまま、少女の裸身を目で追うしかなかった。
(幼いのか?)
見たところ少女は十五歳前後だろう。
初潮を迎えて乳房が膨らめば、いくら男勝りの娘でも女として恥じらいを自覚する。
ところが少女は、女であることをまるで意識していないようだった。
つづく…
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どきっとして寛三は目を反らした。
「い、いや・・いいんだよ。どうせ客もいないから・・そうだ、お嬢ちゃんもやってみるかい?」
まだ乳房とも呼べぬ膨らみに惑わされた寛三は、その羞恥を誤魔化すように、慌てて少女にヨーヨー釣り紐を渡した。
少女は原色の玩具に目を輝かせた。
「でも・・」
「さあ、姉弟でどっちが先に釣れるかな?」
寛三が煽ると、弟を叱ったはずの少女は水槽の前にかぶりついた。
一瞬、寛三は目を疑った。
「えっ?」
真剣にヨーヨーを睨んだ少女が、丁半の壺振りさながらに、ばっと上半身もろ肌脱いだのだった。
褐色に日焼けした裸身が、アセチレンランプの下で露になった。
おそらく袖が邪魔になるからだろうか、少女は周囲の目など気にせず、半裸のまま釣り紐を持ってヨーヨーを狙った。
「あっ、くやしいっ!」
W型の金具がヨーヨーのゴム輪をかすめるたびに、少女は大きな声を上げて地団駄を踏んだ。
まだ膨らみかけの青い乳房が、寛三の目の前でぷるぷると上下に踊る。
寛三はぽかんと口を開けたまま、少女の裸身を目で追うしかなかった。
(幼いのか?)
見たところ少女は十五歳前後だろう。
初潮を迎えて乳房が膨らめば、いくら男勝りの娘でも女として恥じらいを自覚する。
ところが少女は、女であることをまるで意識していないようだった。
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