『追憶の白昼夢』 第十章
『追憶の白昼夢』
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(十)
ホテルの高層階にある部屋の窓には、まるで地上に星を撒き散らしたような夜景が一面に広がっていた。
私はバス・ローブ姿で窓の外を眺めた。
磨かれた窓ガラスには、下界で暮らす何十万という人の群れと、天上の神殿のような瀟洒なホテルの寝室が、外と内、二重に映って見えた。
バス・ルームの扉がゆっくりと開いた。
溢れ出す蒸気を纏って、バス・ローブをはおった彩香が現れた。
濡れ羽色のしっとりと光沢のある髪、胸の合わせから僅かに覗く豊かな谷間、太腿まで露になったすらりと伸びた両脚は、まるでギリシア神話に登場する女神のように美しかった。
「哲ちゃん、見て…」
彩香はバス・ローブを脱ぎ捨てると、一糸纏わぬ裸体を曝け出した。
「お、おい、外から丸見えだぞ」
慌ててカーテンを閉めようとする私を制して、彩香は窓ガラスに裸体をくっつけるようにして外を見下ろした。
「いいじゃないの。どうせ見えやしないわ。それに別に見えたって構わないわ」
「しかし…」
「この部屋は密室なの。現実から遥か離れた二人だけの夢の国よ」
彩香は下界を見下ろしたまま宣言した。
柔らかな弧を描くウエストから、白桃のように形のよい豊穣な尻が突き出している。
窓に映った張りのある乳房と、淡い叢が艶めかしく揺れる。
「哲ちゃん、私の体、十五年前と変わったかしら?」
彩香は両手を頭の後ろで組み、大胆にポーズを取った。
子供を産んでいない体は、どこも崩れてはいなかった。
敢えてその変化を注意深く観察すれば、若い頃と比べて乳房が豊かになり、その頂点の位置が心持ち垂れただろうか。
それと下腹部から腰にかけて脂肪が薄くつき、スリムだった下肢が幾分むっちりした感じがする。
しかしそれは年をとって肉体が衰えたのではなく、熟した果実がその糖度を増すように、女盛りが全身に溢れだしているのである。
男の視線を弾き返すほど眩しく清純だった肢体は、十五年の歳月を経て、男の視線を魅いて止まぬ妖艶な肉体へと変貌を遂げていた。
「ああ、色気が出てきたよ」
「そう?ありがとう。ねえ、哲ちゃんも見せて」
彩香は私を窓際に立たせると、バス・ローブをゆっくりと脱がせた。
「うふふ、もうこんなに…昔と変わらないわ…」
彩香は私の一点を見つめたまま瞳を輝かせると、片膝を立てて跪いた。
そして恭しく両手を添えて瞳を閉じると、肉茎の先を口に含んだ。
自在に動き回る舌先と窄まった口唇が私の硬直を翻弄する。
ちらちらと立て膝の合間から神秘の深谷が見え隠れする。
(やはり十五年前の彩香ではない)
私は歳月を改めて実感した。
新横浜で会ってすぐに感じた彼女の瞳の妖しさは思い過ごしではなかった。
肉体の成熟はさることながら、私を口姦する目の前の女、記憶の中で永遠に微笑み続ける彩香を侵食し出していた。
勿論この性技を初めて教えたのは私だが、当時ぎこちなく口にするのが精一杯で、単なる服従の儀礼に過ぎなかった。
しかし今は男の悦ぶこつを全て知り尽くし、その舌技は当時とは比べものにならない。
性に対して羞恥心の塊だった彼女が、ここまで大胆に振る舞うとは予想だにしなかった。
つづく…
皆様から頂くが小説を書く原動力です
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ホテルの高層階にある部屋の窓には、まるで地上に星を撒き散らしたような夜景が一面に広がっていた。
私はバス・ローブ姿で窓の外を眺めた。
磨かれた窓ガラスには、下界で暮らす何十万という人の群れと、天上の神殿のような瀟洒なホテルの寝室が、外と内、二重に映って見えた。
バス・ルームの扉がゆっくりと開いた。
溢れ出す蒸気を纏って、バス・ローブをはおった彩香が現れた。
濡れ羽色のしっとりと光沢のある髪、胸の合わせから僅かに覗く豊かな谷間、太腿まで露になったすらりと伸びた両脚は、まるでギリシア神話に登場する女神のように美しかった。
「哲ちゃん、見て…」
彩香はバス・ローブを脱ぎ捨てると、一糸纏わぬ裸体を曝け出した。
「お、おい、外から丸見えだぞ」
慌ててカーテンを閉めようとする私を制して、彩香は窓ガラスに裸体をくっつけるようにして外を見下ろした。
「いいじゃないの。どうせ見えやしないわ。それに別に見えたって構わないわ」
「しかし…」
「この部屋は密室なの。現実から遥か離れた二人だけの夢の国よ」
彩香は下界を見下ろしたまま宣言した。
柔らかな弧を描くウエストから、白桃のように形のよい豊穣な尻が突き出している。
窓に映った張りのある乳房と、淡い叢が艶めかしく揺れる。
「哲ちゃん、私の体、十五年前と変わったかしら?」
彩香は両手を頭の後ろで組み、大胆にポーズを取った。
子供を産んでいない体は、どこも崩れてはいなかった。
敢えてその変化を注意深く観察すれば、若い頃と比べて乳房が豊かになり、その頂点の位置が心持ち垂れただろうか。
それと下腹部から腰にかけて脂肪が薄くつき、スリムだった下肢が幾分むっちりした感じがする。
しかしそれは年をとって肉体が衰えたのではなく、熟した果実がその糖度を増すように、女盛りが全身に溢れだしているのである。
男の視線を弾き返すほど眩しく清純だった肢体は、十五年の歳月を経て、男の視線を魅いて止まぬ妖艶な肉体へと変貌を遂げていた。
「ああ、色気が出てきたよ」
「そう?ありがとう。ねえ、哲ちゃんも見せて」
彩香は私を窓際に立たせると、バス・ローブをゆっくりと脱がせた。
「うふふ、もうこんなに…昔と変わらないわ…」
彩香は私の一点を見つめたまま瞳を輝かせると、片膝を立てて跪いた。
そして恭しく両手を添えて瞳を閉じると、肉茎の先を口に含んだ。
自在に動き回る舌先と窄まった口唇が私の硬直を翻弄する。
ちらちらと立て膝の合間から神秘の深谷が見え隠れする。
(やはり十五年前の彩香ではない)
私は歳月を改めて実感した。
新横浜で会ってすぐに感じた彼女の瞳の妖しさは思い過ごしではなかった。
肉体の成熟はさることながら、私を口姦する目の前の女、記憶の中で永遠に微笑み続ける彩香を侵食し出していた。
勿論この性技を初めて教えたのは私だが、当時ぎこちなく口にするのが精一杯で、単なる服従の儀礼に過ぎなかった。
しかし今は男の悦ぶこつを全て知り尽くし、その舌技は当時とは比べものにならない。
性に対して羞恥心の塊だった彼女が、ここまで大胆に振る舞うとは予想だにしなかった。
つづく…
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