『パート妻の純情』(一)
『パート妻の純情』(一)
「妄想の囲炉裏端」紅殻格子の呟き入口
FC2 R18官能小説
暗赤色の常夜灯が点る仄暗い寝室。
ここ札幌は、暦の上ではまだ秋だが、夜になると底冷えする寒さが忍び寄って来る。
柴崎彩子は、砂底に潜んで獲物を狙うヒラメのように、掛け布団から顔だけ出し、くりっとした目をキョロキョロ動かしていた。
「あなた」
隣の布団で寝ている夫の国夫を小声で呼んでみた。
だが轟々と響き渡る鼾は収まる気配がない。
「ねえ、あなたったら」
彩子は布団に入ったまま、片足を伸ばして思いっきり横から蹴りを入れた。
「痛っ・・じ、地震か?」
国夫はがばっと上半身を起こした。
「シッ、大きな声を出さないで。隣の部屋で寝ている明夫が起きちゃうでしょう!」
ヒステリックな彩子の言葉に、国夫は寝ぼけ眼で周囲の様子をしばらく窺っていた。
そして不機嫌そうな妻の顔を見て、ようやく自分に課せられた使命を思い出したらしい。
「・・そ、そうか、今夜は約束していたんだっけ。明夫が眠るのを布団の中で待っていたら、ついうとうとしてしまって・・」
「ついうとうとですって? ふん、すっかり高鼾みたいでしたけどね」
彩子は拗ねた言い方をして布団に潜ると、海老のように丸くなって国夫に背を向けた。
「す、済まん。そう怒るなって」
国夫は彩子の布団をそっと捲り、背後から抱くように体を密着させてきた。
「嫌いっ、デリカシーがない人なんて」
国夫の無神経さを責めながらも、彩子は下腹部の奥が妖しく疼くのを感じていた。
つづく…
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「あなた」
隣の布団で寝ている夫の国夫を小声で呼んでみた。
だが轟々と響き渡る鼾は収まる気配がない。
「ねえ、あなたったら」
彩子は布団に入ったまま、片足を伸ばして思いっきり横から蹴りを入れた。
「痛っ・・じ、地震か?」
国夫はがばっと上半身を起こした。
「シッ、大きな声を出さないで。隣の部屋で寝ている明夫が起きちゃうでしょう!」
ヒステリックな彩子の言葉に、国夫は寝ぼけ眼で周囲の様子をしばらく窺っていた。
そして不機嫌そうな妻の顔を見て、ようやく自分に課せられた使命を思い出したらしい。
「・・そ、そうか、今夜は約束していたんだっけ。明夫が眠るのを布団の中で待っていたら、ついうとうとしてしまって・・」
「ついうとうとですって? ふん、すっかり高鼾みたいでしたけどね」
彩子は拗ねた言い方をして布団に潜ると、海老のように丸くなって国夫に背を向けた。
「す、済まん。そう怒るなって」
国夫は彩子の布団をそっと捲り、背後から抱くように体を密着させてきた。
「嫌いっ、デリカシーがない人なんて」
国夫の無神経さを責めながらも、彩子は下腹部の奥が妖しく疼くのを感じていた。
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