小説 「夜香木」 第十一章・・・
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「夜香木」 紅殻格子
十一
和夫は少年の別荘の前まで来ると、周囲に人がいないのを確かめて、そっと邸内に忍び込んだ。
そして夜陰に紛れて、明かりの灯る温室の扉を開いた。
「奥さん」
「・・・ああ、私・・・どうかしてる・・・」
温室の奥からくぐもった声が聞こえた。
和夫は忍び足で声のする方へと近づくと、そっと熱帯樹の葉陰から覗き見た
(あっ!)
和夫はその光景に息を呑んだ。
濃緑の背景に原色の妖花の彩り。
その中央には白い裸形の美佐江と少年が、立ったまま抱き合っていた。
美佐江は少年に口唇を吸われると、ヘナヘナと腰から砕け落ちた。
少年の前に跪いた美佐江は、眼の前に屹立する若さ漲ぎる肉茎から顔を外けた。
「だめ・・・これ以上は・・・許して・・・」
「で、でも奥さん、ぼくはもう・・・」
躊躇する美佐江の頬に、少年は欲求を抑えきれず、自らの肉茎を押し当てた。
「あ、熱いわ。ドクンドクンしてる」
少年の仰角にそそり立ったものは、まだ女の淫液に穢れていないのか、初々しい薄桃色をしている。
しかしその大きさは和夫のものを遥かに凌いでいた。
「奥さん」
少年は美佐江を促すように、巨大な肉茎を口元に近づけた。
美佐江はその逞しい天を突く凶器を前に、徐々にうっとりとした表情に変わっていく。
「・・・・夫にもしたことがないのに・・・」
少年を見上げる美佐江の瞳に、どこか艶やかさが浮かんだ。
「いけない子ね・・・」
そう呟くと、少年の鋼のような肉茎を手に添えて、先端に軽くキスをしてから目を瞑り口に含んだ。
(ま、まさか!)
和夫は体の血が逆流するのを感じた。
それは美佐江の言う通り、夫である和夫にもしたことのない行為であった。
つづく・・・