『あやかしの肌』・・・最終章
『あやかしの肌』
最終章
ネット小説ランキング>【R18官能部門】>あやかしの肌
水商売の鉄則とは言え、一文無しの辰二に愛想を尽かした美千代は、金回りのいい常務にあっさりと乗り換えるつもりなのだろう。
別に美千代が浮気しても構わない。
女心など端から誰も信じていない。
田舎のしがらみに縛られて死んだ父も、きっとそう叫びたかったに違いない。
そう、美千代と別れてもいい。
美千代の肌さえあればいいのだ。
口喧しく金ばかりせがむ美千代など、誰かに譲ってやった方が好都合である。
辰二は美千代の背中へ目を遣った。
白い肌にぽつんと小さな染みがあった。
美千代の不摂生が原因なのか、この半年で肌の張りもわずかに緩み、ひしひしと老いが肌に体に忍び寄っていた。
かっと怒りがこみ上げてきた。
このまま淫蕩な美千代に任せておいたら、この美肌を醜悪に腐らせてしまうだろう。
母の形見。父の妄執。
いつまでも変わらぬ母の肌を撫で、その柔らかい懐に抱かれて赤子のように眠りたい。
(永遠に・・この手許に・・)
父の失敗を繰り返すのは愚かだ。
ならば一刻の猶予もない。
今すぐ爛れた美千代から肌を切り離してしまおう。
(・・剥製か)
ガラス製の灰皿を手にした辰二は、化粧する美千代の後姿へそっと近づいた。
ー閉幕ー
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別に美千代が浮気しても構わない。
女心など端から誰も信じていない。
田舎のしがらみに縛られて死んだ父も、きっとそう叫びたかったに違いない。
そう、美千代と別れてもいい。
美千代の肌さえあればいいのだ。
口喧しく金ばかりせがむ美千代など、誰かに譲ってやった方が好都合である。
辰二は美千代の背中へ目を遣った。
白い肌にぽつんと小さな染みがあった。
美千代の不摂生が原因なのか、この半年で肌の張りもわずかに緩み、ひしひしと老いが肌に体に忍び寄っていた。
かっと怒りがこみ上げてきた。
このまま淫蕩な美千代に任せておいたら、この美肌を醜悪に腐らせてしまうだろう。
母の形見。父の妄執。
いつまでも変わらぬ母の肌を撫で、その柔らかい懐に抱かれて赤子のように眠りたい。
(永遠に・・この手許に・・)
父の失敗を繰り返すのは愚かだ。
ならば一刻の猶予もない。
今すぐ爛れた美千代から肌を切り離してしまおう。
(・・剥製か)
ガラス製の灰皿を手にした辰二は、化粧する美千代の後姿へそっと近づいた。
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