「肉形見」 第一章・・・(紅殻格子)
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「肉形見」
一.
一両編成のディーゼル列車が、牛の歩みと変わらぬ鈍さでごとごとと走る。
車内には背を丸めた老人と居眠りする学生が疎らに座っている。
平尾武彦は一人車窓に頭を凭れて、ゆっくりと流れていく景色を眺めていた。
水墨画にも似た雪と枯れ木だけの山々が、車窓に迫っては遠ざかる。
新緑色の水と満々と湛えた大河が、
鉄橋を渡る度に右へ左へとその雄景を映す。
(今日は冬至か・・・)
まだ午後の三時を過ぎたばかりなのに、空は藍色に変わり始めていた。
武彦は坐り通しで痛くなった尻を擦った。
東京を出発したのは朝である。
だが日が暮れようとするこの時間になっても、
武彦はまだ旅の途中であった。
東北新幹線と在来線を乗り継ぎ、
更に一日五本しか運転されないローカル線に揺られて
計六時間、故郷の湯女川は海外よりも遥かに遠かった。
つづく・・・
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水墨画にも似た雪と枯れ木だけの山々が、車窓に迫っては遠ざかる。
新緑色の水と満々と湛えた大河が、
鉄橋を渡る度に右へ左へとその雄景を映す。
(今日は冬至か・・・)
まだ午後の三時を過ぎたばかりなのに、空は藍色に変わり始めていた。
武彦は坐り通しで痛くなった尻を擦った。
東京を出発したのは朝である。
だが日が暮れようとするこの時間になっても、
武彦はまだ旅の途中であった。
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つづく・・・
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