心の闇④ 現代嬥歌会(かがい)考(その1)…降矢木士朗
心の闇④ 現代嬥歌会(かがい)考(その1)…降矢木士朗
FC2 R18官能小説
十月の初旬ぐらいだったでしょうか、USファーマシーに官能小説誌編集者の畠山君がぶらりとやってきました。
「降矢木先生、ちょっとお願いがありまして・・・実はドキュメンタリーの原稿を書いて戴けないでしょうか?」
「記録物かい・・・創造性がないものは興味がないね」
「そう仰ると思っていましたよ。残念だな、別の人を捜そうかな・・・実は写真誌の企画で『カップル喫茶潜入記』をやることになりましてね」
「何っ、カップル喫茶? やる、絶対やる」
私は両手で畠山君の肩をつかみ、力任せにガクガクと前後に揺すりました。
畠山君の話によると、彼が勤める立浪出版が発刊している写真誌『他人妻マニア』で、スワッピングの年間特集を組むと言います。
その第一弾として、カップル喫茶の実態を写真と文章で紹介するとのことです。
たまたま嬥歌会という古代乱交祭を題材にした作品に取り組んでいた私は、畠山君の提案を渡りに船で受けました。
畠山君は段取りを説明しました。
「もちろん店側とメインを張る一組の夫婦は仕込みますが、臨場感を盛り上げるために相手夫婦は現場調達するつもりです」
つまり店主の撮影承諾を得たカップル喫茶に、前もって契約したベテラン・スワッピング夫婦を送り込み、そこへたまたま現れた素人夫婦かカップルを釣り上げる企画のようです。
「撮影は赤外線かな?」
「いえ、店内はそれほど暗くないので高感度ビデオカメラで盗撮できると思います」
「で、僕はどうしたらいいのかな?」
「我が社で女性を用意しますので、取材と怪しまれないようにイチャイチャしながらスワッピングを観察して戴こうと・・」
突然パカーンと大きな音がした。
頭を抱えた畠山君の背後に、いつ店に来たのか、スリッパを手にした月絵が立っていました。
「畠山さん、その女性は用意しなくて結構です。アシスタントの私が代わりに先生とご一緒させて戴きます」
私は慌てました。
「しかし月絵君、君は男性との経験もないし・・・」
「いえ、天神会の事件があったおかげで私もずいぶん成長しました。それとも先生はアシスタントの私を差し置いて、その女性とカップル喫茶で何か企んでいらっしゃるのですか?」
凄んだ美女の迫力は周囲を寡黙にします。
「・・・別に」
そんな事情で、月絵と私はカップル喫茶へ潜入取材することとなったのです。
つづく…
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「そう仰ると思っていましたよ。残念だな、別の人を捜そうかな・・・実は写真誌の企画で『カップル喫茶潜入記』をやることになりましてね」
「何っ、カップル喫茶? やる、絶対やる」
私は両手で畠山君の肩をつかみ、力任せにガクガクと前後に揺すりました。
畠山君の話によると、彼が勤める立浪出版が発刊している写真誌『他人妻マニア』で、スワッピングの年間特集を組むと言います。
その第一弾として、カップル喫茶の実態を写真と文章で紹介するとのことです。
たまたま嬥歌会という古代乱交祭を題材にした作品に取り組んでいた私は、畠山君の提案を渡りに船で受けました。
畠山君は段取りを説明しました。
「もちろん店側とメインを張る一組の夫婦は仕込みますが、臨場感を盛り上げるために相手夫婦は現場調達するつもりです」
つまり店主の撮影承諾を得たカップル喫茶に、前もって契約したベテラン・スワッピング夫婦を送り込み、そこへたまたま現れた素人夫婦かカップルを釣り上げる企画のようです。
「撮影は赤外線かな?」
「いえ、店内はそれほど暗くないので高感度ビデオカメラで盗撮できると思います」
「で、僕はどうしたらいいのかな?」
「我が社で女性を用意しますので、取材と怪しまれないようにイチャイチャしながらスワッピングを観察して戴こうと・・」
突然パカーンと大きな音がした。
頭を抱えた畠山君の背後に、いつ店に来たのか、スリッパを手にした月絵が立っていました。
「畠山さん、その女性は用意しなくて結構です。アシスタントの私が代わりに先生とご一緒させて戴きます」
私は慌てました。
「しかし月絵君、君は男性との経験もないし・・・」
「いえ、天神会の事件があったおかげで私もずいぶん成長しました。それとも先生はアシスタントの私を差し置いて、その女性とカップル喫茶で何か企んでいらっしゃるのですか?」
凄んだ美女の迫力は周囲を寡黙にします。
「・・・別に」
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