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『追憶の白昼夢』 第十一章

『追憶の白昼夢』

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(十一)

「うう、哲ちゃんの大きい…」

遠く本牧埠頭の夜景と彩香の横顔が、窓に重なって映っている。

彼女は醜怪な肉茎を愛しそうに頭を振りながら頬張る。
時には舌をねっとりと絡ませ、時には喉の奥に届くほど深くくわえ込む。

私はその舌技とは裏腹に、彩香が肉体的に不自由しているだろうことを確信した。
夫との性交渉があったとしても、成熟した彼女の肉体を満足させられないに違いない。

もしかするとセックスレス夫婦かもしれない。
子供ができない理由もそこにあるのだろうか。
いずれにしても彩香は発情した肉体を持て余しているのだ。

(この女を幸福にできるのは自分以外にはいない)

その確信が、一層私の男としての自信を強靱にした。

私は彩香を抱き上げてベッドに横たえた。
その豊満な肉体に覆い被さると、柔らかい乳房を荒々しく揉みしだいた。

「あん…」

掌が痛々しいほど突起した乳首をなぞるたびに、彩香は小さな喘ぎを立てる。
荒げた呼吸に胸を激しく上下している。
彼女は私の頭に手を回し、胸に押しつけようとした。

「乳首を吸ってほしいのか?」

「ああ、吸って…ううん、噛んで」

私は乳首に顔を埋めた。
男を狂わせる甘美な肌の匂いが鼻腔に満ちる。

軽く乳首を噛んだ。
彩香はピクッと全身を震わせて、切なげに身を捩った。

舌先を蛇行させながら、乳首から下腹部へと舐め下りる。
淡く黒い翳りの中に、浅いクレパスの痕跡を捕えた。
なおもその溝を舌先で辿って行くと、固く小さな淫芽に突き当たった。

「あっ、そ、そこぉ」

彩香は私の舌先を受け入れるべく、両脚を大きく開いた。
そこにかつての幼花はなく、今を盛りと咲き誇る大輪の花があった。

くすんだ秘肉の内側には、十分に発育した鮮紅色の花弁が見え隠れしている。
既に透明で粘り気のある蜜液が溢れ、仮漆を塗ったような光沢を帯びている。

それはたとえるならば、熱帯の密林に咲く食虫植物―、触れた男の理性を麻痺させる毒花であった。

「哲ちゃん、いいわ、いいわ…」

彩香は私の舌の動きすらもどかしいのか、充血した花唇を押しつけるようにして激しく腰を振った。
ピチャピチャと卑猥な音だけが、乾いた部屋に木霊している。

「ああ、もう入れて。お願い…」

ベッドの上で身悶えながら彩香は喘いだ。

「亭主のでなく、俺のが欲しいのか?」

「あ、あなたのが欲しいの。あなたのを後ろから入れて欲しいの」

彩香は四つん這いになると、私を挑発して白い尻を振った。
発情した獣の牝のように、ぽってりと腫れた性器が剥き出しになっている。

私は獲物の尻を指先で窪むほどがっしりと掴んだ。
そして屹立した先端を熱い花唇で潤すと、ぐっと彼女の腰を引き寄せた。

「あうっ、く、来るぅ」

ずぶずぶと秘肉を掻き分けて、肉茎が禁断の深奥に届かんとする。
掴んだ尻が鳥肌立っているのがわかる。
狂ったように尻を左右に振る彩香は、背中を弓なりに反らしてあられもなく叫んだ。

「ああ、気持ちいい。いいのよ、も、もうだめ、い、いくぅ、いっちゃう!」

彩香は全身を痙攣させると、言葉にならない悲鳴を発して崩れ落ちた。
私は余韻にひくひくと震える尻の谷間に、大量の精子を放った。
滑らかな肌を伝う精子を見ながら、私は彩香を取り戻した征服感に酔い痴れた。

つづく…

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『追憶の白昼夢』 第十二章(最終章)

『追憶の白昼夢』

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(十二)

快い疲労と倦怠感に包まれて、二人はベッドに寄り添って横たわっていた。
彩香は全身に揺蕩う余韻を惜しむように、俯せの姿勢で眠ったように動かない。
私はそっと丸い尻に手を伸ばして、掌で軽く撫でた。

「いやん、くすぐったい」

彩香は再び豊満な裸体を摺り寄せてきた。
私は上半身を起こすと、おもむろに煙草の火をつけた。
吐き出した煙が無風の部屋にたなびき、満ち足りた永刧を感じた。

十五年の歳月は確かに彩香を変容させていた。
しかし現在の生活に不満を抱いているに違いない彼女には、精神的にも肉体的にも癒しが必要なのである。

彼女の苦痛を救えるのは、やはりかつての恋人である私しかいないのだ。
私はそう自信を持って彩香の悩みに向き合おうと試みた。

「旦那と上手くいってないのか?」

「そんなことないわ。お互いに愛し合っているもの」

彩香は再び活力を取り戻しつつある肉茎を指先で弄んでいる。

「隠すことはないさ。そうでなければ昔の恋人に会いに来るわけないもんな。相談に乗るから話してみろよ」

彩香は指の動きを止め、ベッドから下りると窓の外へと目を遣った。

「哲ちゃん、あなたは本当に変わらないわね。ううん、別にあなただけじゃないわ。男って生き物は幼稚で単純だってこと」

意外な彩香の言葉に私はぎょっとした。

「だってそうでしょ?最近、主婦の浮気や不倫が話題になるけど、世の大半の男たちはその原因が夫との不仲や家庭不和にあれば安心するのよね。哲ちゃんだって私が会いたいと電話した時、同じことを考えたでしょう。暴力、浮気、性格異常の夫に、私が虐げられているんじゃないかって」

「……」

「うふふ、顔にそう描いてあるわ。男の世界観っていつもそのパターン。何かしらの因果律をこ
じつけて、他人を自分の論理で説明できないと駄目なの。特に女にはそうね。まるで心理学者のように、女の心中を説明して優位に立たないと安心できない。でもそれは男の勝手な思い込みに過ぎないの」

彩香は軽蔑した眼差しで冷笑した。

「女は違うのよ」

そう言うと、彩香は椅子に腰掛けて両脚を大きく開いた。
先ほどまで情熱的だった花芯は、明るいルーム・ライトに照らされ、医学書の模式図のように無味乾燥に見えた。

「ほら、ご覧なさい。あなたの大好きなところを。女の体は何にでも変わるのよ。女として発情した男を悦ばせることもできるし、母として愛らしい子供を産むこともできるの。聖と俗、両方併せ持っているのが女。そして正反対の性質が何の矛盾もなく、この体の中に潜んでいるのよ」

彩香はゆっくりと開かれた秘唇を弄り始めた。
私に向けた瞳は妖しくギラついている。

「女の体って不思議ね。最近、排卵日が近付くと無性に男が欲しくなるのよ。これ以上年を取ると子供ができなくなるぞって、体が警告しているみたい。 あなたに電話した時、丁度その日だったの…ああ、そう。 私、男が欲しかったの…よく言うじゃない…たまには定食以外の料理も食べたいって…折角東京に行くんだから、久しぶりに違う男を食べたかっただけ…気持ちいいわ…」

彩香の指先の動きが激しくなる。
赤く充血した花弁が不定形に歪み、再び生気を取り戻していく。

「いいっ、いいわ…私、夫以外に何人かの男と寝たけど、初めて浮気する男って初で可愛いわ…ねえ、哲ちゃん、もう一回しよう…ねえ…」

私は悄然として窓の外を見た。

十五年前、彩香と私はお互い心の奥底に夢の小箱を埋めた。
それは完結することのない淡く切ない二人の恋の想い出だった。

夢の小箱は浮世の疲れを優しく癒してくれた。
現実から逃避できる架空の世界を与えてくれた。

しかし夢の小箱を宝物のように大切にしていたのは、私だけだったようだ。
彩香はもう夢の小箱の在り処さえ忘れてしまっていたらしい。
そのことに気づかぬ私は、夢の続きが見られると思い箱を開けてしまったのだ。

それはまさしくパンドラの箱だった。
ありとあらゆる災いが箱から飛び出した。

だが私には彩香を責めることはできない。
十五年間にわたって、夢の小箱の中の彩香に救われてきたのは私の方がだったからだ。

開いたパンドラの箱に残ったもの、それは希望だったと言う。

私は一人で昇りつめている彩香から目を逸らし、妻のことを考えていた。

―閉幕ー

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紅殻格子は、別名で雑誌等に官能小説を発表する作家です。

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ご挨拶
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日本動物児童文学賞・環境大臣賞を受賞。
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